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海外サッカー

「チームの成長を妨げる存在」ユベントス監督を解任となったモッタに現地紙が厳しい見解! 名将カペッロは後任トゥードルに「秩序の回復」を要求

THE DIGEST編集部

2025.03.27

 これについて、かつてユベントスも率いたことがあるファビオ・カペッロは、「理屈で言えば、残り9試合、(CL出場圏内である)4位との勝点差がわずか1という接戦において、監督を代えることは大きなリスクとなる可能性がある」と語るも、同時に「外から見ても、選手は誰も、もうモッタとは一緒に仕事をしたくないと考えているのは明らかだった。ファンも同様の考えであり、こうした場合、クラブはロッカールームの意見にも耳を傾けて判断を下す必要がある」と、今回の人事に理解を示している。

 そして、この名将は後任となったトゥードルについても言及し、「彼は勇気を示し、この大きな挑戦を受け入れた」と称賛した上で、かつての教え子に対して「トゥードルが注力しなければならない重要なことは、秩序の回復だ。いまのユベントスには正常化が必要だ。彼らは何か月も混乱していた。あまりにも混乱が多すぎた。ピッチ上の役割が不明確だったり、ストライカーがSBとしてプレーしたり、キャプテンが試合ごとに変わったりしていた」と訴えた。

 一方、サッカー専門サイト『Football Italia』は、2020年からアンドレア・ピルロのアシスタントとしてユベントスの指揮に携わった経験を持つトゥードルがクリアすべき課題として、「選手との調和を取り戻すこと」「ピッチ上での各選手の役割を明確にすること」「この数か月でほとんどの時間をベンチで過ごしたFWドゥシャン・ヴラホビッチを復活させること」、そして「CL出場権を獲得すること」を挙げている。
 
 再建を託されたクロアチア人指揮官だが、契約にはクラブ側から7月に関係を解消できるという条項も含まれているという。今季唯一残された目標であるCL出場権獲得が果たせなかった場合(あるいは達成した場合も?)、監督交代は必至であり、『Gazzetta dello Sport』は「経験豊富でユベントスの名に相応しい実績を持つビッグネーム」の招聘に舵を切るとの見解を示している。

 2020年にセリエA9連覇を果たして以降、メジャータイトルから遠ざかっているユベントスを復権に導く牽引者として、同メディアはアントニオ・コンテ、ロベルト・マンチーニ、ステーファノ・ピオーリを主な候補に挙げ、他にも今季でのアタランタ離脱が有力視されるジャン・ピエロ・ガスペリーニ、そして可能性は極めて低いものの、ファンからの期待が高いジネディーヌ・ジダンの名も取り上げた。

 果たして、この人事によってユベントスが息を吹き返し、ライバルを抑えてCL圏内に浮上できるかが興味深い。ちなみに今季は、ミランも不振によってパウロ・フォンセカからセルジオ・コンセイソンに指揮権が移ったが、過去にこの2クラブが揃って監督の途中交代を敢行したのは1963-64シーズン以来とのこと。奇しくも同シーズンはインテルが名将エレニオ・エレーラの下でクラブ史上初の欧州制覇を果たしており、インテリスタは歴史的シーズンの再現へ向けてさらに期待を膨らませていると『Football Italia』は伝えている。

構成●THE DIGEST編集部

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