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日本代表

「やっぱり勝ってないし、弱いじゃないですか」ボルシアMG板倉滉、今季好調も低迷した2年間にみせていた“精神的な強さ”

中野吉之伴

2025.04.20

 あれから1年ちょっとが経った。ゲラルド・セオアネ2シーズン目のボルシアMGはこれまでの拙守がうそのように、組織だった守備を構築できるようになっている。ちょっと前までだったら、シンプルなパス1、2本で一気に守備陣が崩され、板倉が1対1で対処しなければならないシーンが毎試合のようにあった。対応がずれたりマズかったりすると、「板倉が決定機でミス」のような書かれ方を地元紙にもされたが、そもそも毎回のようにCBが1対1、ひどい時には1対2や1対3の状況で守らなければならないことの方が言及されなければならないはずだった。
 
 前線からの守備が安定したら、ボールへのアプローチのタイミングは俄然取りやすくなる。相手は絞られた選択肢の中で攻撃を仕掛けてくるので読みやすい。ポジショニングとゲームの流れを読む能力に長けている板倉だから、そこさえ整っていたら、自分の間合いでどんどんチャレンジできるようになるのは道理だ。

 そして今季の板倉はボール奪取だけではなく、奪った後のプレーも優れている。奪って終わりではなく、そのボールをチャンスにつなげるプレーが増えているのだ。果敢にドリブルで中盤へ運ぶシーンもよく見受けられる。これも板倉個人の判断力やコンディションの良さだけではなく、チームとして守備から攻撃への切り替えスイッチのタイミングを共有できているのが大きい。

「ビルドアップだったら、自分が真ん中に入っているので、いいところにボールを運んでいかないとと思う。守備でもずるずる引かないように、絶対にコンパクトに高い位置にというところは意識してやってます。引いちゃうと間を相手に使われて、後ろ向きの守備になっちゃうんで、なるだけ高い位置でやるところは意識してますね」

 29節終了時でボルシアMGは7位。久しぶりにヨーロッパカップ戦出場権を狙える位置につけている。中心選手としてリーダーシップを発揮し、チームに安定感と勝利の可能性を高めるプレーで貢献している板倉のさらなる活躍に注目が集まる。そしてその経験と実績は、26年ワールドカップで悲願のベスト8以上を狙う日本代表にとっても貴重なものとなるのは間違いない。

文●中野吉之伴
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