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海外サッカー

バイエルンのセミプロ相手の10発大勝劇を英紙が痛烈皮肉!「W杯では52年、クラブW杯では2試合目で実現した」一方で大会に「価値」を見出すメディア

THE DIGEST編集部

2025.06.17

 こうした実力差の大きいチーム同士の対戦については、怪我のリスクも含めて批判的な意見が少なくないが、英国の日刊紙『The Guardian』は、「FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長が、今回の大会の拡大によって、世界のサッカー界における選手層の厚さをアピールしたいと考えていたなら、この試合はその趣旨にそぐわない内容だった」と綴り、さらに皮肉を続けた。
 
「数字を見ると痛ましい。バイエルンはシュート31本(枠内17本)を放ち、ボール支配率は72%。対するオークランド・シティはシュート1本のみに終わった。代表レベルでのW杯では1試合10得点という記録が生まれるまで、1982年のハンガリー対エルサルバドル戦(10-1)まで52年もかかったが、新フォーマットとなったクラブW杯では、わずか2試合目で実現してしまった」

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』も、このコンペティションのネガティブな側面に触れ、「欧州の多くの選手たちが疲弊している中での開催で、選手会(FIFPro)はFIFAに対して警告を出し、法的措置を取ることも検討している。そして今回の大会では、運営側の金銭的な動機や、欧州ビッグクラブへの偏った配慮が透けて見えていた。開催国枠にMLS王者ではないインテル・マイアミが無理やりねじ込まれたのも、リオネル・メッシというビッグネームを出場させるための措置と思われる」と指摘している。

同メディアは、「FIFAはこの大会について、『将来的に非常に重要なものになる可能性がある』と訴えるか、あるいは単に『儲かるからやる』と言うだけでも良かった。しかし、両方を主張しようとしたことで、かえって中途半端なものになってしまった」とも批判するが、この拡大したクラブW杯そのものを否定はしていない。

「ひとつだけ確かなことがある。クラブサッカーの世界が、これまでになかった形でひとつに集まり始めているという事実だ。これまで地理的な理由で大舞台から締め出されていたクラブにも、スポットライトが当たるようになっている。それに対して『場違いだ』『レベルが低い』と見下すような態度は、かつてイングランドが『W杯なんて自分たちには関係ない』と言って20年間参加しなかったのと同じような“偏見”に感じられる」

 そして、この大会が“本家”W杯と同じレベルに到達できるか、あるいは「かつてのシルバーゴール方式のように忘れ去られるか?」は不明だとしながらも、「やってみる価値があるし、むしろサッカー界として『やるべき責任』がある」と主張している。

構成●THE DIGEST編集部
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