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海外サッカー

全ては「データ」「アルゴリズム」から始まる!? 伊紙が現在のクラブの戦力補強のプロセスを紹介!「イタリアはドイツやイングランドに後れを取っている」

THE DIGEST編集部

2025.07.17

 一方で逆の手順を取るスポーツディレクターもいる。それは「まず従来型の方法(現地視察、スカウト報告、信頼筋の意見)で選手を絞り、その後にデータによって“裏付け”を取る」という流れである。

 では、このデータを誰が処理するのかといえば、これもクラブによって異なり、「一部のクラブでは、1人以上のデータアナリストと契約し、自チームの選手および他チームの選手を評価するための分析を任せている。イタリアでは、インテル、コモ、パルマ、ローマなどが近年、この分野に力を入れてきた。他のクラブでは、外部の分析会社に委託している場合もある」と同メディアは伝えている。

「ミランはクラブ内にアナリストを抱えているだけでなく、過去にはオーナーの『レッドバード・キャピタル・パートナーズ』が所有していた『Zelus Analytics』社(2024年に『Teamworks』社が買収)のサービスも利用していた。レッドバード傘下のトゥールーズ時代にこのデータを積極的に活用していたダミアン・コモッリが今夏にGMに就任したユベトスも今後、この分野での成長が見込まれる」

 ただ同メディアは、「イタリアはまだ、ドイツやプレミアリーグに比べると後れを取っている。特にイングランドでは、多くのクラブが非常に洗練されたアナリティクス部門を有している。マンチェスター・シティやチェルシーはもちろん、意外なところではブライトン(元ポーカープレーヤーのトニー・ブルーム会長が生み出したアルゴリズムを活用して強化に成功している)などもそれに含まれる」と付け加えている。
 
 そして、具体的に目当てのポジションの選手の「リスト」をどのようにして作成するのか? という疑問に対しては、「試合中に収集されるデータを無限の組み合わせで活用する。アナリストはコンピューターに、『ゴール前へ積極的に飛び込んでいく傾向のあるMFを探せ』『相手FWに対して果敢に前に出て潰しにいけるDFを探せ』といった指示を出せばいい」ということで、非常に明瞭かつシンプルに“答”は導き出されるようだ。

 また、「よくある使い方の一つが『類似選手の検索(コンパラブル分析)』だ。例えば、パルマがアンジェ=ヨアン・ボニー(→インテル)を失ったことで、アルゴリズムに『彼と似た選手を探せ』と指示したり、またペドリ(バルセロナのMF)のような選手に惚れ込んだのなら、『彼に似て、なおかつ獲得可能な価格帯の選手』を見つけ出してもらったりすることも可能だ」という。

 もっとも、同メディアは「そうしてリストに挙がり、獲得したとしても、本物のペドリのようにはいかないだろう。なぜなら、彼はその思考力とボール扱いの巧さにおいて、まるで“コンピューターを内蔵した男”のような存在だからだ。それだけの選手を完璧にコピーすることは、残念ながら不可能である」との見解を示し、「データ」と「アルゴリズム」だけによる補強にも現時点では「限界」があることを強調している。

構成●THE DIGEST編集部

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