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日本代表

【ブカツへ世界からの提言】心を開かせる「対話」を。ザッケローニたち名将もそうだった――日本の“悪しき伝統”をイタリア人指導者はどう見る?

THE DIGEST編集部

2022.06.26

 ピッチで選手同士が感情をぶつけ合う場面は目にしたが、監督やコーチが自分の選手を罵ったり、ましてや暴力を用いる光景は一度として見ていない。その日本でこうした指導法が広く行われているとしたなら、正直残念でならない。

 サッカーは世界で一番人気のあるスポーツだが、一番モラルが高いというわけではない。だが、どんなスポーツの指導者であれ、子どもを身体的、精神的に傷つける行為はしてはならない。

 そうした教えしか知らずに育った選手が指導者になれば、彼もまた暴力で自分の選手を支配しようとするだろう。これはまさに負のループとしか言いようがない。こうした監督も、もしかしたら暴力の下で育ってきたのかもしれない。
 
 日本のスポーツ界全体でこうした風潮が蔓延しているのであれば、国の教育を司る部門がなんらかの対策を構築すべきだと考える。試行錯誤している猶予は一刻もない。さらに悪化する前に、指導者にも選手にもカウンセリングを行ない、正しい状況を把握すべきだだろう。

 イタリアでは監督を「Mister(イタリア語読みでミステル)」と呼ぶ。それはイギリス人がイタリアにサッカーを伝えた際の名残でもあるが、何より監督が皆の手本となる紳士であるからだ。選手たちは監督の背中を見て育つ。指導する側はそれを決して忘れてはいけない。

文●パオロ・タロッツィ・ヴェルビーニ
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
パオロ・タロッツィ・ヴェルビーニ(Paolo Tarozzi Verbini)/イタリア・ミラノ出身の指導者。1991年からおよそ20年間もミランの広報担当を務め、カペッロ、サッキ、ザッケローニ、アンチェロッティと言った名将の指導を間近に接する。1999年から約8年はミランのユース年代でコーチとなり、若手育成にも長けている。2021-22シーズンはセリエDのロッチェッラで監督を務めた。

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