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海外サッカー

W杯を目前になぜ? 衝撃の“爆弾”を投下したC・ロナウドは37歳でサッカー界の「オワコン」と化していくのか【現地発】

松澤浩三

2022.11.17

稀代のスターとして栄光を掴んできたC・ロナウドの影響力は計り知れない。しかし、彼の持つカリスマの大きさが皮肉にも……。(C)Getty Images

稀代のスターとして栄光を掴んできたC・ロナウドの影響力は計り知れない。しかし、彼の持つカリスマの大きさが皮肉にも……。(C)Getty Images

 彼らの言うとおり、今季のC・ロナウドはプレミアリーグでは先発出場5試合(出場試合数は10)で、ピッチに立った累計時間もわずかに520分。そして最も大事な得点数もわずかに「1」しかない。

 継続して使われない起用法が影響しているのは確かな一方で、37歳の動きにはこれまでのようなキレがなく、パフォーマンス自体が低調な感は否めない。テン・ハーフ監督の求めるビルドアップ&プレッシング重視のスタイルにフィットしていないのは明らかだ。

 もちろん、昨季のプレミアリーグで30試合に出場し、そのほとんどでスタメン起用、何よりチーム最多となる18ゴールを挙げている事実は見逃せない。チャンピオンズリーグでも7試合で6得点を決めるなど、C・ロナウドは重要な局面でこそ貴重なゴールを決め、獅子奮迅の活躍を見せていた。だからこそ、彼が終わった選手なのかと聞かれれば、決してそうではないと確信を持って言える。

 しかし、一連の騒動によって、マンチェスター・UでのC・ロナウドのキャリアが「終焉」を迎えたのはほぼ間違いない。バロンドールを5回も手にしたレジェンドは、いまだ起用方法によっては確実にゴールを計算できる存在ではあるが、行くべきチームは見当たらない。
 
 なにより欧州トップクラブで居場所を探すのが容易ではない。C・ロナウドは現代の主流と言えるポゼッションフットボールにそぐわないうえに、高給取りのベテランに対する需要はないに等しい。先日には、バイエルン・ミュンヘンの上層部と話をしたという報道も出ていたが、実際のところ、ブンデスリーガ王者へ移籍する可能性は非常に低いとみるのが妥当だろう。

 そもそも今夏の移籍市場で、本人側とテン・ハーフ監督を含むクラブ側の双方が移籍(退団)を望んでいたのは確かだ。これについては、主にマンチェスターで取材をしている番記者の複数名に聞いても同意見だった。

 8月中旬には、C・ロナウド自らが「メディアはウソをついている。2週間後に真実を話せるはずだ」としていたように、夏の移籍市場でのマンチェスター・U退団を本人は確信していた。しかし、最終的に具体的な“真実”は出なかった。移籍先が見つからなかったからだ。

 前出の「The Monday Night Club」に出演した、米紙『New York Times』のロリー・スミス記者は、「ロナウドとメッシは抜け出せないトラップにハマってしまった」と私見を述べている。

 同紙のサッカー班で主筆を務める同氏は「彼らが凄すぎるフットボーラーだから」と前置きしたうえで、「10~15年前であれば、より“綺麗な形で”歳を取れていたはずだ」と続けた。
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