このような状況となっても、クラブが沈黙を保っていることで、同メディアは「カルディナーレは、サッカーを最もよく知る人々の懸念すら考慮せず、良くも悪くもクラブに革命を起こそうとしている。しかし、トナーリの適切な後任を見つけられなければ、間違いなく状況は悪化する。イブラの引退からマルディーニ解任、トナーリ売却と、全てが非常に短い間に起こった。もしこの状況が続くなら……どうなるかは神のみぞ知る」と警告を与えている。

『Gazzetta dello Sport』紙は、「もしかしたら偉大なミランが誕生しようとしているのかもしれない。昨夏、カリドゥ・クリバリ、ロレンツォ・インシーニェ、ドリース・メルテンスが離脱したナポリがその後、スクデットを獲得すると誰が想像しただろうか。『マネーボール』のアルゴリズムでは、我々が見逃しているものが見えているのかもしれない」と、やや皮肉を込めて、米国資本のクラブの今後に言及した。

　このような事態においてクラブ専門サイト『Milan News.it』は、ファンの不満を和らげるための手段のひとつに、鎌田大地との契約を挙げ、「ロッソネロのファンは忍耐力を失っており、今は新たな補強を要求しているが、以前から合意に達しているように思われる日本人選手の名前は、ファンを少しでも元気づけることができるはずだ」と主張する。
  　鎌田のポテンシャルについては、「日本人の能力は保証されている。５年間で56ゴールは、攻撃的MFとしては決して少なくない。それ以上に説得力があるのは、欧州カップ戦での実績だ。CLとヨーロッパリーグで３ゴールを記録し、後者の決勝ではPKも決めて頂点を極めた。26歳でまだ成長の余地がある日本人を過小評価してはいけない。イタリア・サッカーに適応するという困難は立ちはだかるが、移籍市場でのミランの苦戦を考慮すると、ロッソネロは明らかに最初の一歩を見つけたと言えよう」と期待を寄せている。

「10番の役割はロッソネリにとって最も必要なもののひとつであり、彼の加入はクラブの雰囲気を改善する可能性がある」と同メディアが重要視する鎌田。交渉の進捗については、間もなく合意が発表されるという情報もあれば、別の現地メディアは「ミランのファーストターゲットはフェネルバフチェのトルコ代表MFアルダ・ギュレルであり、彼の交渉の成否待ちである」と報じている。

　ネガティブなニュースを次々に発信したミランだが、来季に希望を感じられるような朗報が届くだろうか。要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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