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Jリーグ・国内

常勝の宿命を背負った2年半――酸いも甘いも経験した大岩剛監督が鹿島に残したレガシー

小室功

2020.01.04

 最終決戦の地はテヘラン・アザディスタジアム。観衆は10万人ともいわれた完全アウェーの雰囲気のなか、0-0で引き分け、クラブにとって長年の悲願だったアジア王者に上り詰めた。

「鹿島はタイトルが義務付けられたチームだけれど、そこにばかり意識がいくと何だか漠然としてしまうので、まずは今日の練習だったり、目の前の試合だったり、そこに集中することが大事。自分たちがやるべきことは何か。一日一日、1試合1試合の積み重ね。その先にタイトルがある」

 これが大岩監督の揺るぎない持論だ。
 
 ACL初制覇から18日後に朗報が舞い込む。アジアサッカー連盟の年間最優秀監督賞に選出されたのだ。日本人監督として8人目の栄誉である(男女両部門合わせて)。

 波乱万丈――。

 大岩監督の鹿島における2年7か月の監督人生を一言で表すなら、この言葉がピタリとくるのではないか。

「いいときもあれば、つらいときもあった。試合に勝てないときはファンやサポーターの皆さんからたくさんの批判も受けたけれど、それらすべてが自分の糧になっている。非常に充実していた」

 今後については「まだどうなるかわからない」としながらも「これまでの経験を生かせるような仕事ができたら」と明言。その真意とはやはり「監督」になるのだろう。

 そう遠くない未来に、どこかのJクラブから“大岩監督、就任”のニュースが届くのではないか。

取材・文●小室功(オフィスプリマベーラ)
 

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