2025年のテニスツアーが幕を閉じ、男子はカルロス・アルカラス(スペイン)、女子はアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)が年間ランキング1位に輝いた。女子元11位でBJK杯フランス監督のアリゼ・コルネ(フランス)は、その圧倒的な戦績に加え、2人が示した“新しいプロ選手像”を高く評価。過密なツアーを戦い抜きながらも心身の健康を保ち、オンとオフのバランスを意識して過ごしたことが、今季の飛躍を支えたと称賛している。
コルネは出演した全仏オープンのポッドキャストでサバレンカをこう評した。
「彼女はプロとしてのキャリアだけでなく、メンタルヘルスにも気を配る新世代のテニス選手という印象ね。誰よりもテニスを望んでいるように見えるけど、それだけじゃなく“幸せでいたい”。モルディブで寝そべって過ごしたりもしたいのよ。物事には、ふさわしいタイミングがあるもの」
サバレンカがそう感じるのも自然だろう。近年はメンタル面の問題で調子を崩すトップ選手が少なくない。オンス・ジャバー(チュニジア)は今年、「コートで幸せを感じられない」と語って無期限休養を選択し、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)もウインブルドン後に「今は楽しめていない」と心の不調を明かした。
激しいプレッシャーの中で戦い続けるには、心身を解放する時間が欠かせない。コルネは続ける。
「テニスのためだけに生き、全てを犠牲にする時代は終わった。競技に全てを捧げながら健全な生活も望む選手がいていいし、彼女は世界ナンバー1として、それが成り立つことを示したわ」
今季のサバレンカは、1月に「ブリスベン国際」、3月に「マイアミ・オープン」、5月に「マドリード・オープン」、そして9月に「全米オープン」を制し、ツアー最多の4勝を挙げて2年連続の年間1位を確定させた。その間、「ナショナルバンク・オープン」(7月)や「中国オープン」(9月)を欠場したが、シーズン通算63勝12敗の数字が示す通り、27歳の女王は終始安定感が際立った。
一方のアルカラスも、全仏と全米を含む8タイトルを獲得して男子ツアー最多勝を記録。ハード、クレー共に抜群の適応力を示し、男子テニス界の中心であることを改めて証明した。大舞台で相手をねじ伏せる強さはさらに磨かれ、22歳のキャリアは早くも成熟の段階に入りつつある。
コルネはアルカラスについても、「同じことが言える。イビサで遊んだり、若者らしく人生を楽しもうとする。両立は簡単ではないけれど、2つの側面をうまく扱っている」と、全仏優勝後に休暇を取ったアルカラスのバランス感覚を称える。
年末には2人ともエキジビションに参加する。アルカラスは「ア・ラケット・アット・ザ・ロック」など2つの興行にすでに出場し、サバレンカもニック・キリオス(オーストラリア)との男女対抗戦「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」に臨む。オンとオフを切り替えることで心身を整え、その上で観客を楽しませるイベントにも積極的に参加する姿勢が印象的だ。
過度な犠牲を払うのではなく、自分らしい生活を大切にしながら最高の結果を残す。サバレンカとアルカラスは、そんな理想を見事に体現した。
構成●スマッシュ編集部
【画像】全米OP優勝を果たしたアルカラス&サバレンカがニューヨークでトロフィーツアーを実施!
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「彼女はプロとしてのキャリアだけでなく、メンタルヘルスにも気を配る新世代のテニス選手という印象ね。誰よりもテニスを望んでいるように見えるけど、それだけじゃなく“幸せでいたい”。モルディブで寝そべって過ごしたりもしたいのよ。物事には、ふさわしいタイミングがあるもの」
サバレンカがそう感じるのも自然だろう。近年はメンタル面の問題で調子を崩すトップ選手が少なくない。オンス・ジャバー(チュニジア)は今年、「コートで幸せを感じられない」と語って無期限休養を選択し、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)もウインブルドン後に「今は楽しめていない」と心の不調を明かした。
激しいプレッシャーの中で戦い続けるには、心身を解放する時間が欠かせない。コルネは続ける。
「テニスのためだけに生き、全てを犠牲にする時代は終わった。競技に全てを捧げながら健全な生活も望む選手がいていいし、彼女は世界ナンバー1として、それが成り立つことを示したわ」
今季のサバレンカは、1月に「ブリスベン国際」、3月に「マイアミ・オープン」、5月に「マドリード・オープン」、そして9月に「全米オープン」を制し、ツアー最多の4勝を挙げて2年連続の年間1位を確定させた。その間、「ナショナルバンク・オープン」(7月)や「中国オープン」(9月)を欠場したが、シーズン通算63勝12敗の数字が示す通り、27歳の女王は終始安定感が際立った。
一方のアルカラスも、全仏と全米を含む8タイトルを獲得して男子ツアー最多勝を記録。ハード、クレー共に抜群の適応力を示し、男子テニス界の中心であることを改めて証明した。大舞台で相手をねじ伏せる強さはさらに磨かれ、22歳のキャリアは早くも成熟の段階に入りつつある。
コルネはアルカラスについても、「同じことが言える。イビサで遊んだり、若者らしく人生を楽しもうとする。両立は簡単ではないけれど、2つの側面をうまく扱っている」と、全仏優勝後に休暇を取ったアルカラスのバランス感覚を称える。
年末には2人ともエキジビションに参加する。アルカラスは「ア・ラケット・アット・ザ・ロック」など2つの興行にすでに出場し、サバレンカもニック・キリオス(オーストラリア)との男女対抗戦「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」に臨む。オンとオフを切り替えることで心身を整え、その上で観客を楽しませるイベントにも積極的に参加する姿勢が印象的だ。
過度な犠牲を払うのではなく、自分らしい生活を大切にしながら最高の結果を残す。サバレンカとアルカラスは、そんな理想を見事に体現した。
構成●スマッシュ編集部
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