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国内テニス

スキージャンプの葛西紀明が“テニスにハマる”レジェンドならではの正当な理由<SMASH>

内田暁

2024.01.02

スキージャンプ以外の競技も卒なくこなしてきた運動神経抜群の葛西紀明氏だが、かれこれ30年を費やしてきたテニスはいまだゴールが見えなという。果たしてその理由は…。写真:田中研治(THE DIGEST 写真部)

スキージャンプ以外の競技も卒なくこなしてきた運動神経抜群の葛西紀明氏だが、かれこれ30年を費やしてきたテニスはいまだゴールが見えなという。果たしてその理由は…。写真:田中研治(THE DIGEST 写真部)

“レジェンド・カサイ”――。

 その通り名は競技や国境も越え、今やあらゆるジャンルを横断して鳴り響く。

 51歳の現役スキージャンパー、葛西紀明。オリンピックでは個人、団体でいずれも銀メダルを獲得し、42歳176日のワールドカップ最年長優勝記録も有する。

 そんなレジェンドは、あらゆる競技を横断してプレーし「極める」ことを目指す、マルチプレーヤーでもあるという。とりわけ、葛西氏が今もはまっているのが、テニスだ。

 なぜ、テニスなのか? テニスの何がレジェンドを魅了するのか? そしてスキージャンプとテニスの共通点とは? 肉体での表現者が、その魅力を言葉で表現してくれた。

「テニスって、めちゃめちゃ難しい!」

 悔しさを伴うそんな驚きが、葛西氏がテニスに抱いた第一印象だったという。テニスとの出会いは「社会人になった頃」なので、かれこれ30年近く経つ。運動神経には自信があり、テレビで見る限り「自分でもできそう」と思っていたテニスの難易度の高さこそが、伝説のアスリートをこの競技に引き込んだ要因だった。
 
「いろんな競技をプレーして、けっこう極めてきたんです。バドミントンや卓球は、この歳から始めてもそれなりにできるようになるんですが、でもテニスは全然ならないんですよね。

 ここ何年かは、テニスのインストラクターにマンツーマンで教えてもらいながら、週に1~2回は一生懸命にやっているんです。でも、ある程度までは行くんですが、そこから全然向上しなくて。一生懸命頑張ってやっているんですけれど、バックハンドだったりボレーなどは、難しい。インストラクターの先生からも、『これはもう小さい頃から、何千、何万回とボールを打たないと身に付かない感覚や、わからない部分があるんだよね』みたいな話をされたんです。長くやっている方がそう言うのだから、そんなに簡単にできるものじゃない、簡単にうまくなるもんじゃないんだなと思いました」

 幼少期からの反復練習の重要性は、ジャンプとテニスの共通項かもしれない。同時に共通項があるからこそ、相違点に魅力を感じている様子だ。
 
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