ここ数年にわたり数々の有望な若手選手が台頭している男子テニスのATPツアー。その中でひときわ大きな期待を寄せられているのが、昨年3月に大学進学を取り辞めてプロ転向を果たした弱冠18歳の新星ジョアン・フォンセカ(ブラジル/現49位)だ。
昨年末に行なわれた20歳以下のシーズン最終戦「Next Gen ATPファイナルズ」で優勝を飾ると、今年1月の「全豪オープン」では予選3試合を勝ち抜いて四大大会初の本戦入り。その全豪では2回戦敗退となったものの、1回戦では当時世界9位だったアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現11位)を破り、四大大会本戦初出場にして対トップ10初勝利を挙げるという離れ業を演じていた。
また、2月に出場した「IEB+アルゼンチン・オープン」(アルゼンチン・ブエノスアイレス/クレー/ATP250)ではツアー初優勝を達成。勢いそのままに3月の下部大会「アリゾナ・テニス・クラシック」(アメリカ・フェニックス/ハード/チャレンジャー175)も制すと、「全仏オープン」と「ウインブルドン」のグランドスラム(四大大会)2大会で3回戦進出を果たし、7月には早くもキャリア初のトップ50入りを達成した。
まだティーンエイジャーながら凄まじい成長ぶりを見せているフォンセカだが、その一方で「トップ選手と肩を並べるにはまだまだ力不足」との厳しい声も多い。というのも最近の彼は早期敗退も多く、現在開催中のマスターズ1000大会「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・トロント/ハード)でも1回戦で格下のトリスタン・スクールケイト(オーストラリア/同103位)に6-7(5)、4-6で敗れ、今季5度目の初戦敗退を喫した。
スクールケイト戦ではリターンに苦戦し、打開策を見出せないまま終わってしまったフォンセカ。この試合について四大大会のシングルスで3度の優勝を経験している元世界女王のリンゼイ・ダベンポート氏(アメリカ/49歳)が、このほど出演した海外メディア『Tennis Channel』のポッドキャストで次のように所感を語ったという。
「彼(フォンセカ)は試合を通してリターンに苦しんでいた。スクールケイトのサービスは確かに良かったけど、彼のリターンに問題があったというよりは、リターンから主導権を握ることができなかったのが敗因だと思う」
その上でダベンポート氏はシーズン終盤に差し掛かる中でフォンセカが「メンタル面で疲弊している」可能性を指摘しつつ、周囲の雑音にも負けない選手になってほしいとの思いを込めて、来る8月21日に19歳を迎えるニューヒーローへの“激励の喝”を送った。
「まだ18歳や19歳の少年のメンタルを管理するのは簡単ではないし、今年は彼にとって多くのことが起こり過ぎたのかもしれない。今年のフォンセカは素晴らしいシーズンを送っているけど、彼への期待値は“1回戦敗退”なんかでは到底満たされないほど高い」
とはいえ、今のフォンセカはまだ確固とした安定感を手に入れる途中段階にいるのは間違いない。ぜひともここから真の飛躍が始まることを期待したい。
文●中村光佑
【動画】フォンセカVSスクールケイトの「ナショナルバンク・オープン」1回戦ハイライト
【関連記事】18歳の注目株フォンセカが芝ツアー初勝利!前週大会準Vの強敵に逆転勝ちで「本当にうれしい」<SMASH>
【関連記事】「ベースライン上では相手の方が上...」アルカラスが試合中に漏らした“らしくない発言”に女子元世界1位ダベンポートが違和感<SMASH>
昨年末に行なわれた20歳以下のシーズン最終戦「Next Gen ATPファイナルズ」で優勝を飾ると、今年1月の「全豪オープン」では予選3試合を勝ち抜いて四大大会初の本戦入り。その全豪では2回戦敗退となったものの、1回戦では当時世界9位だったアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現11位)を破り、四大大会本戦初出場にして対トップ10初勝利を挙げるという離れ業を演じていた。
また、2月に出場した「IEB+アルゼンチン・オープン」(アルゼンチン・ブエノスアイレス/クレー/ATP250)ではツアー初優勝を達成。勢いそのままに3月の下部大会「アリゾナ・テニス・クラシック」(アメリカ・フェニックス/ハード/チャレンジャー175)も制すと、「全仏オープン」と「ウインブルドン」のグランドスラム(四大大会)2大会で3回戦進出を果たし、7月には早くもキャリア初のトップ50入りを達成した。
まだティーンエイジャーながら凄まじい成長ぶりを見せているフォンセカだが、その一方で「トップ選手と肩を並べるにはまだまだ力不足」との厳しい声も多い。というのも最近の彼は早期敗退も多く、現在開催中のマスターズ1000大会「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・トロント/ハード)でも1回戦で格下のトリスタン・スクールケイト(オーストラリア/同103位)に6-7(5)、4-6で敗れ、今季5度目の初戦敗退を喫した。
スクールケイト戦ではリターンに苦戦し、打開策を見出せないまま終わってしまったフォンセカ。この試合について四大大会のシングルスで3度の優勝を経験している元世界女王のリンゼイ・ダベンポート氏(アメリカ/49歳)が、このほど出演した海外メディア『Tennis Channel』のポッドキャストで次のように所感を語ったという。
「彼(フォンセカ)は試合を通してリターンに苦しんでいた。スクールケイトのサービスは確かに良かったけど、彼のリターンに問題があったというよりは、リターンから主導権を握ることができなかったのが敗因だと思う」
その上でダベンポート氏はシーズン終盤に差し掛かる中でフォンセカが「メンタル面で疲弊している」可能性を指摘しつつ、周囲の雑音にも負けない選手になってほしいとの思いを込めて、来る8月21日に19歳を迎えるニューヒーローへの“激励の喝”を送った。
「まだ18歳や19歳の少年のメンタルを管理するのは簡単ではないし、今年は彼にとって多くのことが起こり過ぎたのかもしれない。今年のフォンセカは素晴らしいシーズンを送っているけど、彼への期待値は“1回戦敗退”なんかでは到底満たされないほど高い」
とはいえ、今のフォンセカはまだ確固とした安定感を手に入れる途中段階にいるのは間違いない。ぜひともここから真の飛躍が始まることを期待したい。
文●中村光佑
【動画】フォンセカVSスクールケイトの「ナショナルバンク・オープン」1回戦ハイライト
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