プロテニス界では深夜に及ぶロングマッチや早朝の試合終了が、選手たちからコンディション管理や安全面の観点でたびたび不満の的となっている。だが、男子世界ランキング19位のアレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン)は別の不満を抱えている。それは、「試合開始時間が早すぎる」という点だ。
前週に行なわれた男子テニスツアー「ムバダラ・シティDC・オープン」(ATP500)で準優勝を果たし、キャリア初のトップ20入りを果たしたダビドビッチフォキナ。現在開催中の「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・トロント/ハードコート/ATP1000)でも、初戦となる2回戦でコランタン・ムテ(フランス/同46位)を下し、3回戦ではヤクブ・メンシク(チェコ/同18位)と対戦した。
その3回戦が組まれたのは、今大会で最も早くスタートする「モトローラ・ラズル・グランドスタンド・コート」で、開始時刻は午前11時。他の試合が午後12時30分開始と設定されている中で、その日はダビドビッチフォキナの試合だけが、ひときわ早い時間帯に設定されていた。
このスケジュールに納得のいかない26歳のダビドビッチフォキナは、公式Xを更新し、開始時間について不満を投稿。ATP(男子プロテニス協会)に対する怒りをあらわにした。
「今日はATPに対する失望と怒りを皆さんと共有したい。全ての試合は12時半開始なのに、僕たちの試合だけが11時に設定されている。しかも、僕たちは大会会場から1時間も離れた場所に滞在しているため、コンディションを整えて臨むには非常に早起きが必要だ」
「スケジュールの変更を求めたが、『チケットやテレビ放映権など、すでに販売済みのため変更はできない』との返答だった。またしても、選手のことが考慮されていないことがよくわかった。ATPは『解決策を見い出す』とは言うが、何も変わらない。こうしたことは初めてではなく、内側にいると、外から見ているほど素晴らしいものではないことがわかる」
この投稿に対し、多くの人々はダビドビッチフォキナの意見を称賛した一方で、時代錯誤だとする批判もあり、意見は分かれた。そんな中、35歳のベテラン選手、ダニエル・エバンス(イギリス/同129位)は自身の公式インスタグラムのストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新し、次のように厳しく反論している。
「目を覚ましてプレーしろ。世界中の人々は朝9時から夕方5時、あるいは8時から6時まで働いている。哀れだ」
選手の健康やパフォーマンスに直結するスケジュール問題。いまだ十分な配慮がなされていない現状に、ダビドビッチフォキナの苛立ちは、多くの共感とともに議論を呼びそうだ。
構成●スマッシュ編集部
【画像】ダビドビッチフォキナが大会スケジュールについて不満を吐露
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前週に行なわれた男子テニスツアー「ムバダラ・シティDC・オープン」(ATP500)で準優勝を果たし、キャリア初のトップ20入りを果たしたダビドビッチフォキナ。現在開催中の「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・トロント/ハードコート/ATP1000)でも、初戦となる2回戦でコランタン・ムテ(フランス/同46位)を下し、3回戦ではヤクブ・メンシク(チェコ/同18位)と対戦した。
その3回戦が組まれたのは、今大会で最も早くスタートする「モトローラ・ラズル・グランドスタンド・コート」で、開始時刻は午前11時。他の試合が午後12時30分開始と設定されている中で、その日はダビドビッチフォキナの試合だけが、ひときわ早い時間帯に設定されていた。
このスケジュールに納得のいかない26歳のダビドビッチフォキナは、公式Xを更新し、開始時間について不満を投稿。ATP(男子プロテニス協会)に対する怒りをあらわにした。
「今日はATPに対する失望と怒りを皆さんと共有したい。全ての試合は12時半開始なのに、僕たちの試合だけが11時に設定されている。しかも、僕たちは大会会場から1時間も離れた場所に滞在しているため、コンディションを整えて臨むには非常に早起きが必要だ」
「スケジュールの変更を求めたが、『チケットやテレビ放映権など、すでに販売済みのため変更はできない』との返答だった。またしても、選手のことが考慮されていないことがよくわかった。ATPは『解決策を見い出す』とは言うが、何も変わらない。こうしたことは初めてではなく、内側にいると、外から見ているほど素晴らしいものではないことがわかる」
この投稿に対し、多くの人々はダビドビッチフォキナの意見を称賛した一方で、時代錯誤だとする批判もあり、意見は分かれた。そんな中、35歳のベテラン選手、ダニエル・エバンス(イギリス/同129位)は自身の公式インスタグラムのストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新し、次のように厳しく反論している。
「目を覚ましてプレーしろ。世界中の人々は朝9時から夕方5時、あるいは8時から6時まで働いている。哀れだ」
選手の健康やパフォーマンスに直結するスケジュール問題。いまだ十分な配慮がなされていない現状に、ダビドビッチフォキナの苛立ちは、多くの共感とともに議論を呼びそうだ。
構成●スマッシュ編集部
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