専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「ベースライン上では相手の方が上...」アルカラスが試合中に漏らした“らしくない発言”に女子元世界1位ダベンポートが違和感<SMASH>

中村光佑

2025.07.15

ウインブルドン決勝で、ボックス席に向かって何度も声を荒らげるアルカラス(右)の振る舞いに、ダベンポート氏(左)が違和感を示した。(C)Getty Images

ウインブルドン決勝で、ボックス席に向かって何度も声を荒らげるアルカラス(右)の振る舞いに、ダベンポート氏(左)が違和感を示した。(C)Getty Images

 四大大会のシングルスで3度の優勝を経験している女子テニス元世界ランキング1位のリンゼイ・ダベンポート氏(アメリカ/49歳)が、現地7月13日に行なわれたヤニック・シナー(イタリア/世界1位)とカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)による「ウインブルドン」(四大大会/イギリス・ロンドン/芝コート)の男子シングルス決勝について、興味深い所感を語っている。

 わずか5週間前の「全仏オープン」(四大大会/フランス・パリ/クレーコート)決勝でも対戦した両者。この時は5時間29分にも及ぶ死闘の末、3本のチャンピオンシップポイントを握りながらも大逆転負けを喫したシナーだったが、テニスの聖地で早くも実現したリマッチでは第1セット後半の一時的な乱調を除き、ほぼ完璧なプレー内容で試合を支配。アルカラスを4-6、6-4、6-4、6-4で下し、イタリア人選手で男女を通じて史上初となるウインブルドン優勝を達成した。

 元世界王者のジム・クーリエ氏(アメリカ/54歳)と共に、この試合をテニス専門チャンネル『Tennis Channel』で生解説していたダベンポート氏は、四大大会4勝目をゲットしたシナーの勝因をこう分析する。

「シナーはドロップショットに非常にうまく対応していた。それによってアルカラスの大きな武器の一つを試合の序盤で封じることができた。だからこそ、シナーはあれだけ頻繁にネットに出ることができたのだと思う」

「加えてシナーは常にドロップショットを警戒しているようにも見えた。その結果、アルカラスは次第に動揺し、ドロップショットでミスが出始めた。そうしてシナーは芝のコートで、アルカラスのペースを完全に崩すことに成功した」
 
 一方、敗れたアルカラスはプレーがうまくいかない苛立ちからチームメンバーが戦況を見守っていたボックス席に向かって何度も声を荒らげるなど、珍しくメンタルが大きく乱れるシーンが見られた。その時にアルカラスが陣営に対して発した“奇妙な言葉”が非常に気になったとダベンポート氏は明かす。

「アルカラスから陣営に一方的に話しかける場面が多く、逆に陣営から返ってくる言葉はほとんどなかった。また、ある瞬間に彼は陣営の方を見て、『ベースラインのラリーは相手(シナー)の方が上だ』と言っていた。アルカラスらしくない、ちょっと変な口調だった」

 それでも表彰式でのアルカラスはどこか清々しい表情で、「君との対戦が日々僕を成長させてくれるので、本当に感謝しています。優勝おめでとう」と素直に勝者を称えていた。ダベンポート氏のコメントも加味すれば、それだけシナーが素晴らしいパフォーマンスを見せたということだろう。

文●中村光佑

【動画】アルカラスVSシナーの「ウインブルドン」決勝ハイライト

【画像】準優勝のアルカラスはじめ、ウインブルドン 2025 を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト

【関連記事】ウインブルドン初優勝のシナー!コーチ陣が全仏での惜敗からの“切り替え力”を「稀有な資質」と賛辞<SMASH>
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    7月10日(木)発売!

    定価:800円 (税込)
  • world_soccer_digest

    7月17日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    7/18(金)発売!

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    6月27日(金)発売!

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    5月23日(金)発売!

    定価:1100円 (税込)