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海外テニス

「これは権力の乱用だ」メキシコの空港でテニス選手のストリングに想定外の課税!保安員に法的根拠の説明求めるも通らず<SMASH>

中村光佑

2025.08.15

テニス選手にとって商売道具ともいえるラケットに張るストリングは必要不可欠なアイテムだが、メキシコの空港で受けた想定外の対応にチアゴ・アグスティン・ティランテは不満を漏らした。(C)Getty Images

テニス選手にとって商売道具ともいえるラケットに張るストリングは必要不可欠なアイテムだが、メキシコの空港で受けた想定外の対応にチアゴ・アグスティン・ティランテは不満を漏らした。(C)Getty Images

 今週行なわれている男子テニスツアーの下部大会「ユーロップカー・カンクン・カントリークラブ」(8月12日~17日/ハードコート/チャレンジャー125)に出場している24歳で世界ランキング135位のチアゴ・アグスティン・ティランテ(アルゼンチン)が、同大会の開催地であるメキシコ・カンクンの空港で思わぬハプニングに見舞われたことを明かしている。

 現在開催中のツアー公式戦「シンシナティ・オープン」(8月7日~18日/アメリカ・シンシナティ/ハード/ATP1000)の予選を突破するも本戦1回戦で格上のルカ・ナルディ(イタリア/現98位)に敗れたティランテは、敗戦後すぐにカンクンへ移動。無事空港には到着したものの、予期せぬトラブルが彼を待っていた。

 各種海外メディアの報道によると、ティランテは到着後の入国審査で突如保安スタッフに呼び止められ、手荷物の中身をチェックされた。その結果、中に入っていたストリング(ラケットに張る糸)が正当な説明もないまま不審物とみなされ、高額な罰金を払う羽目になってしまったというのだ。

 これを受けてティランテは8月10日に更新した自身の公式インスタグラム(@thiagotirante)のストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)で怒りのコメントを投稿。事の顛末を説明しつつ次のように綴った。
 
「今日はカンクン到着時に私が経験した不当で理不尽な出来事を共有したいと思います。荷物を持って到着した際、検査のために呼び止められました。バッグにはラケットのストリングが入っていて、私はそれを『プロとして仕事で使用する用具』と説明したのですが、保安スタッフたちは『個人の所持品とはみなさない』と言ってきたのです」

「さらにはストリングの価値に対して『19%の税金を支払わなければならない』とも言われました。私は『本当にそんなルールが存在するのか、法律や文書で根拠を見せてほしい』と尋ねましたが、『それを支払わなければパスポートを没収する』と告げられました。このような脅しを受け、法的な説明もないまま税金を支払うしかありませんでした。これは権力の乱用であり、受け入れることはできませんでした」

 まさかの出来事に遭遇したティランテだったが、出場中のカンクン・チャレンジャーでは1回戦でマテオ・ジガンテ(イタリア/126位)を、2回戦では第6シードで元世界19位の実力者アレハンドロ・タビロ(チリ/同103位)を破りベスト8へ進出。ベスト4入りを懸け、現地15日には準々決勝で第2シードのアルテュール・カゾー(フランス/同76位)と対戦する。

文●中村光佑

【動画】2024全米オープンの予選に出場した際のチアゴ・アグスティン・ティランテ

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