海外テニス

元世界3位ルバキナが不眠症の苦悩を告白。ツアーの過密日程が影響し「1年間ずっと苦しんでいた」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.09.01

不眠症に苦しんでいたことを明かしたルバキナ。過密スケジュールによる体調不良に悩まされ、ツアー離脱も余儀なくされたという。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」女子シングルス4回戦で、マルケタ・ボンドルソワ(チェコ/世界ランキング60位)に4-6、7-5、2-6で敗退したエレーナ・ルバキナ(カザフスタン/同10位)。元世界3位の彼女は、ここ2シーズン、深刻な不眠症に苦しんでいたことを明かした。

 2022年の「ウインブルドン」でカザフスタン勢として初の四大大会初優勝を果たし、翌23年の「全豪オープン」でも準優勝。さらに同年3月の「BNPパリバ・オープン」「マイアミ・オープン」で連続決勝進出を果たし、クレーシーズンの「イタリア国際」で優勝を飾るなど、この時期のルバキナは勢いそのままに勝ち星を重ねていた。

 しかし、次第に体調不良による欠場やツアー離脱が増え、昨年の全米オープンでは2回戦を目前に棄権。その後もツアー最終戦まで戦列を離れるなど、不安定なシーズンを余儀なくされた。
 
「睡眠に大きな問題を抱えていました。2023年は全体として本当に大変な年でした。試合数が多く、スケジュールもいつもと違っていました。ナイトセッションがすごく多くて、まだ『(午後)11時以降は試合開始できない』というルールがなかったので、遅い時間の試合がたくさんありました。

 さらにビリー・ジーン・キング・カップも長かった。その後、24年に入ってからも良いスタートを切ったけど、シーズン終盤まで大会を回り続けました。だから不眠症は続いていて、ほぼ1年間ずっと苦しんでいたんです」

 現在は「かなり良くなっている」と本人は強調するが、ルバキナの証言はツアーが抱える根本的な課題を映し出している。無理のあるスケジュールが健康に及ぼす影響は、以前から選手たちが訴えてきた問題だ。

 今夏の「シンシナティ・オープン」では、アンナ・カリンスカヤ(ロシア/同29位)が午後10時頃に始まった4回戦を午前0時を回って終え、帰宅は午前2時半過ぎ。就寝は午前4時となりながら、翌日は午前11時開始の試合に臨まなければならなかった。彼女はインスタグラムで「WTAや大会は、こんな不公平なスケジュールを組んでおいて選手たちにどうやって良いプレーをしろと言うの?(中略)回復のために最も重要な要素の1つである睡眠リズムをどうやって整えろというの?」と憤りを示していた。

 大会運営を巡る議論は、試合の公平性にとどまらず、選手のコンディション管理やキャリアの長期的な継続性にも関わる問題として注目を集めている。

構成●スマッシュ編集部

【動画】ルバキナVSボンドルソワの「全米オープン」4回戦ハイライト

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