大詰めを迎えているテニス四大大会「全米オープン」(8月24日~9月7日)の女子シングルスで準々決勝敗退に終わった元世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド/現2位)。敗戦後の記者会見では、ある記者からの質問に対し、露骨に不快感をあらわにする一幕があった。
約2カ月前のウインブルドン決勝でアマンダ・アニシモワ(アメリカ/現9位)に6-0、6-0の完全試合を達成して四大大会6勝目をゲットした24歳のシフィオンテクは、今回の全米オープンに第2シードで参戦。エミリアナ・アランゴ(コロンビア/同84位)、スーザン・ラメンス(オランダ/同66位)、アンナ・カリンスカヤ(ロシア/同29位)、エカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア/同12位)を倒して8強入りしたが、現地9月3日に行なわれた準々決勝で第8シードのアニシモワに4-6、3-6のストレートで敗れ、3年ぶり2度目のベスト4進出はならなかった。
その直後の会見は冷ややかな空気に包まれた。
アニシモワにウインブルドン決勝のリベンジを許したシフィオンテクに対し、ある男性記者が「ここ数週間はウインブルドンやアメリカの大会、全米オープンとたくさんの試合をこなしてきたと思いますが、現時点で疲れはどのくらいありますか?」と質問。この問いに同選手は「わからない。ここでの試合はそんなに消耗したわけじゃないから」と言葉少な気に答えた。
続いても同じ記者から「今日の敗戦は関係なく、精神的な休養が必要だと感じていますか?」と問われるも、今度はシフィオンテクが「私のスケジュールを決めている人に聞いてみたらどう? あなたこそ精神的な休養が必要なんじゃないの?」と逆質問。「必要です」と答えた記者に対して「じゃあなんでここにいるの?」と疑問を口にすると、「この大会が終わるまでは仕事をしないといけないので」との記者の返答にもシフィオンテクは「頑張ってね」と皮肉めいた口調で突き放した。
ちなみに上記の質問の意図について当該記者はやり取りの中で「立て続けに試合があったようなので、休養を楽しみにしているのではないかと思っていました」と説明している。
事実シフィオンテクはモントリオール(カナダ/WTA1000)、シンシナティと北米ハードコートシリーズ2大会に出場した後すぐにニューヨークへ移動し、キャスパー・ルード(ノルウェー/男子元2位/現11位)とのペアで全米オープンの混合ダブルス(8月19日~20日)に出場。そのわずか数日後にはシングルスに臨み、アニシモワ戦を含め5試合を戦い抜くという超ハードスケジュールをこなした。
そうした背景もあり、記者は単純にシフィオンテクが心身ともに今どのような状態にあるのかを聞き出したかったようだ。しかし彼女はその質問を“余計なお世話”だと感じたようで、思わぬ形で会見が妙な緊張感を帯びたものとなった。
文●中村光佑
【画像】シフィオンテクほか、2025全米オープンを戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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その直後の会見は冷ややかな空気に包まれた。
アニシモワにウインブルドン決勝のリベンジを許したシフィオンテクに対し、ある男性記者が「ここ数週間はウインブルドンやアメリカの大会、全米オープンとたくさんの試合をこなしてきたと思いますが、現時点で疲れはどのくらいありますか?」と質問。この問いに同選手は「わからない。ここでの試合はそんなに消耗したわけじゃないから」と言葉少な気に答えた。
続いても同じ記者から「今日の敗戦は関係なく、精神的な休養が必要だと感じていますか?」と問われるも、今度はシフィオンテクが「私のスケジュールを決めている人に聞いてみたらどう? あなたこそ精神的な休養が必要なんじゃないの?」と逆質問。「必要です」と答えた記者に対して「じゃあなんでここにいるの?」と疑問を口にすると、「この大会が終わるまでは仕事をしないといけないので」との記者の返答にもシフィオンテクは「頑張ってね」と皮肉めいた口調で突き放した。
ちなみに上記の質問の意図について当該記者はやり取りの中で「立て続けに試合があったようなので、休養を楽しみにしているのではないかと思っていました」と説明している。
事実シフィオンテクはモントリオール(カナダ/WTA1000)、シンシナティと北米ハードコートシリーズ2大会に出場した後すぐにニューヨークへ移動し、キャスパー・ルード(ノルウェー/男子元2位/現11位)とのペアで全米オープンの混合ダブルス(8月19日~20日)に出場。そのわずか数日後にはシングルスに臨み、アニシモワ戦を含め5試合を戦い抜くという超ハードスケジュールをこなした。
そうした背景もあり、記者は単純にシフィオンテクが心身ともに今どのような状態にあるのかを聞き出したかったようだ。しかし彼女はその質問を“余計なお世話”だと感じたようで、思わぬ形で会見が妙な緊張感を帯びたものとなった。
文●中村光佑
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