男子テニスのATPツアーで次代を担う存在として注目されている22歳のホルガー・ルネ(デンマーク/世界ランキング11位)。2020年にプロに転向した彼はこれまでにツアー5勝を挙げており、最高峰の四大大会でも過去3度にわたりベスト8へ進出。またそれに次ぐグレードのマスターズ1000シリーズでは、今年3月の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)を含め4度の決勝進出(うち1度は優勝)を経験している。世界ランキングでも23年にキャリアハイの4位を記録するなど、着実に実績を積み重ねてきた。
その一方で調子のアップダウンも激しいルネ。同世代のカルロス・アルカラス(スペイン/22歳/現1位)とヤニック・シナー(イタリア/24歳/現2位)が共に四大大会で複数回優勝、さらには20以上のツアータイトルを獲得していることを考えると、まだ十分に期待に応えられているとは言い難いのが現状だ。
しかし現役時代にシングルスでツアー17勝を挙げ、四大大会でも2度の準優勝(いずれも全仏オープン)を経験した男子元世界2位のアレックス・コレッチャ氏(スペイン/51歳)は、こうした他選手との比較は気にせず、とにかく自分のプレーを貫いてほしいとルネに期待を寄せている。デンマークメディア『SpilXperten』の取材で次のように語った。
「ルネにとって大事なのは、アルカラスやシナーと比べることではなく、自分自身の道を完成させることだ。コート内外で自分がどんな選手なのか、また練習の仕方や試合での立ち回り、難しい局面での対応の仕方などを理解する必要がある。すなわち自分自身を深く知り、相手のことももっと研究すべきだということだ」
コレッチャ氏のルネへの並々ならぬ期待は「すでに素晴らしい結果を残してはいるが、彼はまだ自分の潜在能力を完全には発揮できていない」というコメントにも表れている。その上で一人の人間かつプロ選手としての成熟にはまだ時間を要するとの考えを示した。
「ルネには強い個性があり、その点を考えても唯一無二の選手だ。彼は本当にファイターで、努力を惜しまないし、その意欲はプレーからも見て取れる。トップ10入りも経験しているし、マスターズ1000で優勝していることも忘れてはいけない。それでも彼はもっと成長できると思うし、まだ大きな伸びしろがある」
そして最後に「ルネは将来的に四大大会を優勝すると思うか?」と問われたコレッチャ氏は楽観的にこう回答した。
「四大大会での上位進出には、一定の継続性とバランス感覚が必要だ。それらをどう得るかを理解する必要があるが、彼が今後数年で四大大会を優勝できない理由は見当たらない。全てを整えられれば、ビッグタイトルを争えるところまで到達できるだろう」
まだ20代前半ながら申し分ないポテンシャルを備えるルネ。課題さえ克服できれば、来シーズンでの四大大会初制覇も現実味を帯びてくるはずだ。今後のさらなる成長に期待したい。
文●中村光佑
【画像】ルネはじめ、ウインブルドン 2025 を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】元世界4位ルネ、恋のアプローチは惨敗! お目当てのカリンスカヤに「自信過剰で思い上がっている人」と痛烈批判される<SMASH>
【関連記事】世界9位ルネが新旧王者の元トレーナーを招聘! 体験したメニューは「これまで試したことのない新しい形」と感服<SMASH>
その一方で調子のアップダウンも激しいルネ。同世代のカルロス・アルカラス(スペイン/22歳/現1位)とヤニック・シナー(イタリア/24歳/現2位)が共に四大大会で複数回優勝、さらには20以上のツアータイトルを獲得していることを考えると、まだ十分に期待に応えられているとは言い難いのが現状だ。
しかし現役時代にシングルスでツアー17勝を挙げ、四大大会でも2度の準優勝(いずれも全仏オープン)を経験した男子元世界2位のアレックス・コレッチャ氏(スペイン/51歳)は、こうした他選手との比較は気にせず、とにかく自分のプレーを貫いてほしいとルネに期待を寄せている。デンマークメディア『SpilXperten』の取材で次のように語った。
「ルネにとって大事なのは、アルカラスやシナーと比べることではなく、自分自身の道を完成させることだ。コート内外で自分がどんな選手なのか、また練習の仕方や試合での立ち回り、難しい局面での対応の仕方などを理解する必要がある。すなわち自分自身を深く知り、相手のことももっと研究すべきだということだ」
コレッチャ氏のルネへの並々ならぬ期待は「すでに素晴らしい結果を残してはいるが、彼はまだ自分の潜在能力を完全には発揮できていない」というコメントにも表れている。その上で一人の人間かつプロ選手としての成熟にはまだ時間を要するとの考えを示した。
「ルネには強い個性があり、その点を考えても唯一無二の選手だ。彼は本当にファイターで、努力を惜しまないし、その意欲はプレーからも見て取れる。トップ10入りも経験しているし、マスターズ1000で優勝していることも忘れてはいけない。それでも彼はもっと成長できると思うし、まだ大きな伸びしろがある」
そして最後に「ルネは将来的に四大大会を優勝すると思うか?」と問われたコレッチャ氏は楽観的にこう回答した。
「四大大会での上位進出には、一定の継続性とバランス感覚が必要だ。それらをどう得るかを理解する必要があるが、彼が今後数年で四大大会を優勝できない理由は見当たらない。全てを整えられれば、ビッグタイトルを争えるところまで到達できるだろう」
まだ20代前半ながら申し分ないポテンシャルを備えるルネ。課題さえ克服できれば、来シーズンでの四大大会初制覇も現実味を帯びてくるはずだ。今後のさらなる成長に期待したい。
文●中村光佑
【画像】ルネはじめ、ウインブルドン 2025 を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】元世界4位ルネ、恋のアプローチは惨敗! お目当てのカリンスカヤに「自信過剰で思い上がっている人」と痛烈批判される<SMASH>
【関連記事】世界9位ルネが新旧王者の元トレーナーを招聘! 体験したメニューは「これまで試したことのない新しい形」と感服<SMASH>