現在行なわれている国内最高峰の男子テニスツアー「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2025」（９月24日～30日／東京・有明／ハードコート／ATP500）で素晴らしい勝ち上がりを見せている世界ランキング１位のカルロス・アルカラス（スペイン）。連日驚異的なパフォーマンスで会場を沸かせている彼は、初出場となった東京の舞台を心から楽しんでいる様子だ。

　セバスチャン・バエス（アルゼンチン／同41位）との１回戦で痛めた左足首の状態が懸念されているアルカラスだが、もはやその心配もなんのその。２回戦ではジゾー・ベルグス（ベルギー／同45位）を6-4、6-3で下し、28日に行なわれた準々決勝ではブランドン・ナカシマ（アメリカ／同33位）に6-2、6-4で快勝。大会初のベスト４進出を決めた。

　この結果優勝した４月の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」（モナコ・モンテカルロ／ATP1000）から９大会連続のツアー４強入りとなったアルカラス。

　22歳の若き王者は実際に東京でプレーをしてみて、「日本の観客のエネルギーに驚かされている」と明かす。「日本人は比較的控え目な人が多いと聞いていた」こともあり、良い意味で予想を裏切られたと感謝の言葉を交えて語った。

「東京でこれほどの声援を受けられて、本当に感謝しています。日本の観客からコートで感じるエネルギーは、聞いていた話とは全く違うように感じますし、大きなパワーをもらえています。今は観客を楽しませるプレーを心掛けていますし、皆さんが試合を楽しんでくれたらうれしいです。改めて、応援してくださっている全ての方に心から感謝しています」
  　ちなみにナカシマ戦でのアルカラスはサービスエースこそわずか１本にとどまったものの、フォアハンドだけで25本ものウイナーを記録。ファーストサービスとセカンドサービスの両方で80％以上のポイント獲得率をマークし、相手に１度もブレークを許さずに１時間20分で試合を締めた。今は自分でも調子の良さを強く実感していると22歳は手応えを口にする。

「おそらく今がキャリア最高の時期だと思います。コートに立つたびに自信が出てきますし、全てのプレーが問題なくできると思える状態にもあります。今日みたいな高いレベルのプレーを見せることが、シーズン終盤に向けての自信を深めることに大きく役立つと思います」

　決勝進出を懸け、本日29日18時以降に行なわれる準決勝では第４シードで元世界２位のキャスパー・ルード（ノルウェー／現12位）と対戦するアルカラス。次戦はさらなる力強いプレーを見せてくれることを期待したい。

文●中村光佑

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