男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「ロレックス上海マスターズ」(10月1日~12日/中国・上海/ハードコート)のシングルスで、初戦敗退を喫した元世界ランキング5位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現14位)が試合後のメディア対応で自身の苦しい現状を嘆いた。
今大会に第13シードで参戦した27歳のルブレフは現地4日に行なわれた2回戦(シード勢は1回戦免除)で、今季不振にあえいできた元世界24位の西岡良仁(現173位/30歳)と対戦。両者は今回が6度目の顔合わせで、過去の対戦成績はルブレフが3勝2敗とわずかに勝ち越しており、直近2戦はルブレフがいずれもストレートで勝利している。
今回も序盤はルブレフが主導権を握った。第1セットはファーストサービスでなんと100%のポイント獲得率(10/10)をマークし、リターンゲームでは2度のブレークに成功。第4ゲームから5ゲームを連取し、6-2で早くも1セットアップとした。
しかしここから状況が一変。第2セットはルブレフのセカンドサービスでのポイント獲得率が17%(1/7)にとどまるなど苦しい展開となり、1-6とされてセットオールに持ち込まれる。そして勝負のファイナルセットも終盤の第7ゲームで痛恨のサービスダウンを喫して4-6で落とし、1時間47分で悔しい逆転負けとなった。
今年2月の「カタール・エクソンモービル・オープン」(カタール・ドーハ/ハード/ATP500)でツアー17勝目を飾ったルブレフだが、ベスト16に進出した「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハード/四大大会)以降は苦戦が続いており、アジアシリーズは今回の上海を含め中国で出場した3大会全てで初戦敗退。西岡戦後のインタビューでルブレフはフォアハンドを軸とした強打を貫く自身のプレースタイルに限界を感じているとしつつ、今抱えている葛藤を次のように明かした。
「相手が僕のプレーを攻略した、ということではないと思う。ただ単に、自分のテニスのレベルが頭打ちになってしまっただけのこと。今後はこのままトップ20あたりで足踏みして、若い選手たちにどんどん押し下げられていくか、思い切って全てを変えてみるかのどちらかになるだろう」
そもそも“プレースタイルの変更”はどの選手にも容易なことではなく、特に器用なタイプではないルブレフにとってはなおさらだろう。もう27歳で、ある程度テニスが確立されている段階にあるだけに、今から大胆な変化に踏み切るのは非常に大きなリスクを伴う。理想と現実の狭間で揺れている様子が、インタビュー中の彼の表情からも感じ取れた。
文●中村光佑
【動画】「ロレックス上海マスターズ」2回戦ハイライト!ルブレフVS西岡は10:00~
【関連記事】西岡良仁、“完全復調”の兆し! 世界14位ルブレフ撃破で上海マスターズ3回戦へ「セカンド以降は満点でした」<SMASH>
【関連記事】「ひどいめまいで動けなくなった」窮地に陥ったルブレフを救ったのはまさかの“寿司”<SMASH>
今大会に第13シードで参戦した27歳のルブレフは現地4日に行なわれた2回戦(シード勢は1回戦免除)で、今季不振にあえいできた元世界24位の西岡良仁(現173位/30歳)と対戦。両者は今回が6度目の顔合わせで、過去の対戦成績はルブレフが3勝2敗とわずかに勝ち越しており、直近2戦はルブレフがいずれもストレートで勝利している。
今回も序盤はルブレフが主導権を握った。第1セットはファーストサービスでなんと100%のポイント獲得率(10/10)をマークし、リターンゲームでは2度のブレークに成功。第4ゲームから5ゲームを連取し、6-2で早くも1セットアップとした。
しかしここから状況が一変。第2セットはルブレフのセカンドサービスでのポイント獲得率が17%(1/7)にとどまるなど苦しい展開となり、1-6とされてセットオールに持ち込まれる。そして勝負のファイナルセットも終盤の第7ゲームで痛恨のサービスダウンを喫して4-6で落とし、1時間47分で悔しい逆転負けとなった。
今年2月の「カタール・エクソンモービル・オープン」(カタール・ドーハ/ハード/ATP500)でツアー17勝目を飾ったルブレフだが、ベスト16に進出した「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハード/四大大会)以降は苦戦が続いており、アジアシリーズは今回の上海を含め中国で出場した3大会全てで初戦敗退。西岡戦後のインタビューでルブレフはフォアハンドを軸とした強打を貫く自身のプレースタイルに限界を感じているとしつつ、今抱えている葛藤を次のように明かした。
「相手が僕のプレーを攻略した、ということではないと思う。ただ単に、自分のテニスのレベルが頭打ちになってしまっただけのこと。今後はこのままトップ20あたりで足踏みして、若い選手たちにどんどん押し下げられていくか、思い切って全てを変えてみるかのどちらかになるだろう」
そもそも“プレースタイルの変更”はどの選手にも容易なことではなく、特に器用なタイプではないルブレフにとってはなおさらだろう。もう27歳で、ある程度テニスが確立されている段階にあるだけに、今から大胆な変化に踏み切るのは非常に大きなリスクを伴う。理想と現実の狭間で揺れている様子が、インタビュー中の彼の表情からも感じ取れた。
文●中村光佑
【動画】「ロレックス上海マスターズ」2回戦ハイライト!ルブレフVS西岡は10:00~
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