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【1日3分間のメンタル強化法 第50回】「集中」の極意――雑念と多心を手放し、明確な目標を持ってプレーしよう<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.10.18

雑念や多心を手放し、目の前の一球に意識を集めることで、プレーの質は格段に高まる(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

雑念や多心を手放し、目の前の一球に意識を集めることで、プレーの質は格段に高まる(※写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

* * *

 メンタルトレーニングを指導する上で最も難しいのが「集中する」というテーマです。あるテニスコーチから「あの選手は集中力が高い」と聞かされたことがあり、その選手をよく観察してみると「周辺集中」と「一心集中」を上手に使い分けているのがわかります。

“ここ一番”という「一心集中:ハードフォーカス」と“全体を見つめて気配を感じる”という「周辺集中:ソフトフォーカス」の使い分けが巧みなのです。

 では“集中力が散漫”について考えてみましょう。集中を乱すものとして考えられるのが「雑念」と「多心」です。雑念とは、今の自分がコントロールできないものと考えます。「相手の調子が良い」とか「もっと練習しとけばよかった」など。

 一方、多心とは試合を進めていく上で必要ですが「あれも大切、これもやろう」と考え過ぎている状態のことを言います。できれば多くの大切なことの中から、目の前の1つに絞り込んでほしいのです。「多心を一心」にすることで、選手は「無心でやれた」と思えるのです。間違った対象に注意を向けた時にプレーヤーは集中から遠ざかります。
 
 例えば、ミスを引きずると選手は消極的になり、弱気の虫が出てきて「とりあえず相手コートに入れよう」としてチャンスボールを与えてしまうのです。

 集中についてもう一つの考え方は“目標がぼやけると集中が曖昧になる”ということです。

 目標には3つあり整理しておきます。

 まずは、①結果目標です。「相手から1セットは取りたい」、「取り組んできたボレーを決める」などやりたいことを明確にします。

 次に、②行動目標です。「主導権を握るにはボールに早く入る」、「ボレーは手だけでなく体幹を使う」など具体的な動きを考えます。

 そして最後は、③プレー目標です。「早く入って『バウンド・ヒット』でボールへの集中を上げる」、「ボレーは『タ・ターン』のリズムで打つ」など感覚的な部分を生かしてテニスをしてほしい。

 結果目標はやる気を上げるために必要で、ゲームでは行動目標かプレー目標で戦う。ただし「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」に絞ってください。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年11月号から抜粋・再編集

【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子

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