男子テニス世界ランキング10位のジャック・ドレイパー(イギリス/23歳)が、今季後半を棒に振ることになった左腕のケガについて、「誤った診断で偽りの希望を抱いた」と英メディア『independent』に告白した。「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/四大大会)への強行出場の背景には、見落としによる誤診があったという。
23歳のドレイパーは、今年3月の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)でマスターズ1000初優勝を果たし、5月には同じくマスターズの「マドリード・オープン」(スペイン・マドリード)で準優勝。6月には自己最高の世界4位に浮上するなど、飛躍のシーズンを送っていた。だが、7月の「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/四大大会)2回戦でマリン・チリッチ(クロアチア/現76位)に敗れた際に左腕を負傷。検査で「骨挫傷」と診断され、「回復まで8~9週間」との見通しが示された。
その後、8月の「全米オープン」を目前に控えたアメリカで再検査を受けたが、結果は異常なし。本人も安堵し、出場を決断した。しかし、まだ腕は完全な状態ではなかった。1回戦を勝ち上がった直後に痛みが再発し、2回戦を前に棄権を余儀なくされた。それどころか、大会後にはシーズン終了を発表している。「ジャパンオープン」(東京・有明/ATP500)での勇姿を待ち望んだ日本のファンにとっても残念なニュースだった。
当時の診断を振り返り、次のように語っている。
「結局のところ、僕は誤って報告された検査結果を信じてしまい、偽りの希望を抱いてしまったと思う。でも、全米に出たことは後悔していない。アスリートとして結果を出したい気持ちは当然だし、ウインブルドンまでの状態がとても良かったからこそ、前に進みたかった。ただ、それは押し通せるものではなかった」
このケガにより、初の「ATPファイナルズ」出場という目標も断たれた。ドレイパーは「もしかしたら、あまりにも急いで成長しようとした結果、ケガをしたのかもしれない」とも認める。だが、彼の視線はすでに次のシーズンへ向かっている。原動力の一つがライバルの存在だ。今季はヤニック・シナー(イタリア/同1位)やカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)がグランドスラム決勝で競い合うのを見ていて悔しかったとしつつ、「彼らのレベルに近づくための燃料になった」とも語った。
4年間指導を続けたジェームズ・トロットマン氏(イギリス)が家庭の事情でチームを離れる一方、新コーチとして、アンディ・マリー(イギリス)を世界1位に導いたジェイミー・デルガド氏(イギリス)を迎え入れた。新しい体制で2026年シーズンの完全復活を目指す。
「肉体的にも精神的にも、そしてテニスの面でもまだ改善できることがたくさんある。僕はもっと攻撃的になれるし、守備力と勝利への意志には自信がある。これからは自分の武器を最大限に生かして、特に今トップにいる2人――彼らに挑めるようにしたい」
大きな代償を伴ったシーズンだったが、それは次章への糧になるに違いない。
構成●スマッシュ編集部
【画像】ドレイパーはじめ、全米オープン2025を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
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23歳のドレイパーは、今年3月の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)でマスターズ1000初優勝を果たし、5月には同じくマスターズの「マドリード・オープン」(スペイン・マドリード)で準優勝。6月には自己最高の世界4位に浮上するなど、飛躍のシーズンを送っていた。だが、7月の「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/四大大会)2回戦でマリン・チリッチ(クロアチア/現76位)に敗れた際に左腕を負傷。検査で「骨挫傷」と診断され、「回復まで8~9週間」との見通しが示された。
その後、8月の「全米オープン」を目前に控えたアメリカで再検査を受けたが、結果は異常なし。本人も安堵し、出場を決断した。しかし、まだ腕は完全な状態ではなかった。1回戦を勝ち上がった直後に痛みが再発し、2回戦を前に棄権を余儀なくされた。それどころか、大会後にはシーズン終了を発表している。「ジャパンオープン」(東京・有明/ATP500)での勇姿を待ち望んだ日本のファンにとっても残念なニュースだった。
当時の診断を振り返り、次のように語っている。
「結局のところ、僕は誤って報告された検査結果を信じてしまい、偽りの希望を抱いてしまったと思う。でも、全米に出たことは後悔していない。アスリートとして結果を出したい気持ちは当然だし、ウインブルドンまでの状態がとても良かったからこそ、前に進みたかった。ただ、それは押し通せるものではなかった」
このケガにより、初の「ATPファイナルズ」出場という目標も断たれた。ドレイパーは「もしかしたら、あまりにも急いで成長しようとした結果、ケガをしたのかもしれない」とも認める。だが、彼の視線はすでに次のシーズンへ向かっている。原動力の一つがライバルの存在だ。今季はヤニック・シナー(イタリア/同1位)やカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)がグランドスラム決勝で競い合うのを見ていて悔しかったとしつつ、「彼らのレベルに近づくための燃料になった」とも語った。
4年間指導を続けたジェームズ・トロットマン氏(イギリス)が家庭の事情でチームを離れる一方、新コーチとして、アンディ・マリー(イギリス)を世界1位に導いたジェイミー・デルガド氏(イギリス)を迎え入れた。新しい体制で2026年シーズンの完全復活を目指す。
「肉体的にも精神的にも、そしてテニスの面でもまだ改善できることがたくさんある。僕はもっと攻撃的になれるし、守備力と勝利への意志には自信がある。これからは自分の武器を最大限に生かして、特に今トップにいる2人――彼らに挑めるようにしたい」
大きな代償を伴ったシーズンだったが、それは次章への糧になるに違いない。
構成●スマッシュ編集部
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