今季終盤、男子ツアーの話題をさらった一人がフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ)だ。「全米オープン」出場時点で世界ランキング27位だった25歳は、その後わずか3カ月で怒涛の巻き返しを演じ、最終戦「Nitto ATPファイナルズ」では準決勝進出。自己最高のトップ5で今シーズンを終えた。2023年から24年にかけての伸び悩みを経て、オジェ-アリアシムは本来の輝きを取り戻した。
かつて史上最年少の14歳でチャレンジャーツアー本戦勝利を挙げるなど、早熟の天才として注目されてきた。全米でベスト4入りした21年には初のトップ10入りを果たし、翌年は初タイトルを含む4勝を挙げて同6位でフィニッシュ。だが、23年と24年は四大大会8大会中5大会で初戦敗退するなど低迷し、ランキングは一時36位まで後退していた。
だからこそ、最終戦後のコメントに実感がこもる。
「(僕は)戻るべき場所に戻ってきた。もっと安定したプレーができる場所にね。この数カ月のプレーぶり、そしてこの大会に出られたことに本当に満足している」
今夏以降、オジェ-アリアシムは「全米オープン」での準決勝進出で弾みをつけ、「上海マスターズ」(ATP1000)で8強、「ヨーロピアン・オープン」(ATP250)で優勝。さらに「パリ・マスターズ」(ATP1000)で準優勝すると、今回のツアー最終戦でも、ベン・シェルトン(アメリカ/現世界ランキング9位)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)をラウンドロビンで下して準決勝に進出したのだ。ここで世界1位のカルロス・アルカラス(スペイン)に2-6、4-6で屈したものの、シーズン終盤戦の収穫は大きい。
「今年は大きな進歩を遂げた。子どもの頃から、グランドスラムで優勝すること、世界1位になることを野心として持っていた。浮き沈みはあったけれど、ずっと自分を信じていたし、今も信じている。あとは正しいことを積み重ねていくだけだ」
今回の敗戦で通算対戦成績が3勝5敗となったアルカラスについて問われると、その完成度を素直に称えた。
「彼のサービスは“狂ったように良い”。両翼で自在に方向を変えてくるし、違う形のプレッシャーをかけてくる。何が来るのか読めない。すごく高いスピードでプレーしていた。それが一番難しかった。
(来季も)アルカラスやシナーに集中すればいい、という話じゃない。上にも下にも、若い世代にも強い選手がたくさんいる。競争は毎年激しい。もちろん、彼ら2人はいま皆より一段上にいる。でも僕は仕事を続けるだけだ。努力を恐れたことは一度もないよ」
2月の「アデレード国際」(ATP250)と「南フランス・オープン」(ATP250)でも優勝した今季は、22年以来となる年間50勝超えを達成。また、私生活では9月に長年のパートナーだったニナさんと結婚し、新たな支えも得た。正しいことを積み重ねていけば、キャリアのピークはきっとこれからやってくる。
構成●スマッシュ編集部
【動画】オジェ-アリアシムVSアルカラス他「ATPファイナルズ」準決勝ハイライト!
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かつて史上最年少の14歳でチャレンジャーツアー本戦勝利を挙げるなど、早熟の天才として注目されてきた。全米でベスト4入りした21年には初のトップ10入りを果たし、翌年は初タイトルを含む4勝を挙げて同6位でフィニッシュ。だが、23年と24年は四大大会8大会中5大会で初戦敗退するなど低迷し、ランキングは一時36位まで後退していた。
だからこそ、最終戦後のコメントに実感がこもる。
「(僕は)戻るべき場所に戻ってきた。もっと安定したプレーができる場所にね。この数カ月のプレーぶり、そしてこの大会に出られたことに本当に満足している」
今夏以降、オジェ-アリアシムは「全米オープン」での準決勝進出で弾みをつけ、「上海マスターズ」(ATP1000)で8強、「ヨーロピアン・オープン」(ATP250)で優勝。さらに「パリ・マスターズ」(ATP1000)で準優勝すると、今回のツアー最終戦でも、ベン・シェルトン(アメリカ/現世界ランキング9位)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)をラウンドロビンで下して準決勝に進出したのだ。ここで世界1位のカルロス・アルカラス(スペイン)に2-6、4-6で屈したものの、シーズン終盤戦の収穫は大きい。
「今年は大きな進歩を遂げた。子どもの頃から、グランドスラムで優勝すること、世界1位になることを野心として持っていた。浮き沈みはあったけれど、ずっと自分を信じていたし、今も信じている。あとは正しいことを積み重ねていくだけだ」
今回の敗戦で通算対戦成績が3勝5敗となったアルカラスについて問われると、その完成度を素直に称えた。
「彼のサービスは“狂ったように良い”。両翼で自在に方向を変えてくるし、違う形のプレッシャーをかけてくる。何が来るのか読めない。すごく高いスピードでプレーしていた。それが一番難しかった。
(来季も)アルカラスやシナーに集中すればいい、という話じゃない。上にも下にも、若い世代にも強い選手がたくさんいる。競争は毎年激しい。もちろん、彼ら2人はいま皆より一段上にいる。でも僕は仕事を続けるだけだ。努力を恐れたことは一度もないよ」
2月の「アデレード国際」(ATP250)と「南フランス・オープン」(ATP250)でも優勝した今季は、22年以来となる年間50勝超えを達成。また、私生活では9月に長年のパートナーだったニナさんと結婚し、新たな支えも得た。正しいことを積み重ねていけば、キャリアのピークはきっとこれからやってくる。
構成●スマッシュ編集部
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