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海外テニス

ロシアの女子選手ラヒモワがウズベキスタンへ国籍変更。ロシア連盟は「裏切りではない」と理解示す<SMASH>

中村光佑

2025.12.02

ロシア勢の国籍変更が相次ぐ中、ラヒモワが母のルーツを持つウズベキスタンへ移籍。現地連盟は歓迎し、ロシア側も理解を示した。(C)Getty Images

ロシア勢の国籍変更が相次ぐ中、ラヒモワが母のルーツを持つウズベキスタンへ移籍。現地連盟は歓迎し、ロシア側も理解を示した。(C)Getty Images

 2022年2月にロシア主導のウクライナ侵攻が発生して以降、テニス界ではロシア人選手の国籍変更が増加傾向にある。今年初めには、同性愛者として知られる女子元世界8位のダリア・カサキナ(現37位)が、反戦と母国ロシアの同性愛者に対する厳格な規制を批判したことを背景に、オーストラリアへ国籍を変更した。その他にも、マリア・ティモフェーワ(女子146位)がウズベキスタンへ、エリナ・アバネシャン(同118位)がアルメニアへ、アレクサンダー・シェフチェンコ(男子95位)がカザフスタンへと、それぞれ国籍を切り替えている。

 そしてこのほど、新たに女子112位のカミラ・ラヒモワ(24歳)がウズベキスタンに国籍を変更したことが明らかになった。昨年12月に世界ランキングで自己最高の60位を記録したラヒモワは、先月までロシア人選手としてプレー。ツアータイトルはまだないものの、昨年9月の下部大会「グアダラハラ125オープン」(メキシコ/ハードコート/WTA125)では優勝を飾っている。また最高峰の四大大会でもこれまでに4大会中3大会で3回戦に進出しており、今年7月のウインブルドン2回戦では昨年準優勝のジャスミン・パオリーニ(イタリア/現8位)から金星を挙げていた。

 ちなみに彼女の母親であるルフィナ・ラヒモワ氏は、かつて旧ウズベク・ソビエト社会主義共和国でテニス選手として活動。兄のティムール氏も同国の首都タシケントで生まれている。ラヒモワの国籍変更を受け、ウズベキスタンテニス連盟のサドル・カミロフ事務総長は同連盟の公式サイトを通じて次のように声明を発表した。
 
「カミラ・ラヒモワがウズベキスタン人選手となったことは、歴史的な意義を持つ出来事です。彼女はすでに、自身が世界のトップ選手たちと互角に戦えるレベルを持つ選手であることを証明しています。彼女をこの国に迎えられることを大変うれしく思いますし、ウズベキスタン国旗の下で大きな勝利を収め、さらなる記録を打ち立ててくれると確信しています」

 一方、国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーであるロシアテニス連盟のシャミル・タルピシェフ会長は、今回のラヒモワの決断に理解を示す形でこうコメントした。「裏切りなどではなく、ただプレーする機会を求めるための選択です。彼女はロシア人のままですが、スポーツ上の国籍を変更しただけにすぎません」

 ウズベキスタン人選手として新たな一歩を踏み出したラヒモワ。これから彼女がどんなキャリアを歩んでいくのか注目していきたい。

文●中村光佑

【動画】ラヒモワVSカサキナの「全米オープン2025」2回戦ハイライト

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