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海外テニス

「ファンや応援の数を気にしすぎるのは嫌」フェデラー、ナダルと比較されたジョコビッチが地元メディアに本音を吐露

誉田優

2020.02.21

セルビアの自身のアカデミーでメディアからのインタビューに答えるジョコビッチ。(C)GettyImages

セルビアの自身のアカデミーでメディアからのインタビューに答えるジョコビッチ。(C)GettyImages

 今年の全豪オープンで2連覇を達成し、前人未到のV8を成し遂げたノバク・ジョコビッチ。休暇中に故郷のセルビアに帰還し、自身の運営するアカデミーで会見を開いた。地元メディア「Sportklub」によると、彼が、フェデラーやナダルに比べ『ファンから愛されていない』とされていることについて語ったという。

「これまでにも、僕がファンに愛されていないとたくさん報道されてきた。自分自身のことについて語るのは好きではないのだけれど、個人的には、たくさんのサポートや思いやりをもらっていると思うよ。

 フェデラーやナダルと対戦する時、観客は彼らのほうを応援しがちだ。でもそれはもちろん、僕が嫌われているからではないし、セルビア国民全体を世界と敵対させないといけないということでもない。『セルビア対世界』というストーリーは好きでないんだ」というジョコビッチ。

 さらに「たとえ世の中のテニスファンが僕を愛していないからといって、そのことに労力を注ぎたくはない。ファンや応援の数を気にしすぎるのは嫌なんだ。嫉妬とか、怒りといったネガティブな感情を持ちたくもない。だけど、たまに爆発してしまうこともある。観客とか、主審とか、風のことでね。それは認めるし、自慢できることではないけど、僕もひとりの人間で、たまには過ちを犯す。でも、毎日、より良い自分になろうと努力しているんだ。もちろん、いつだってみんなに応援されたいと思うことはあるけれど、ネガティブに捉えているのではないんだ」とした。
 
 また、試合前後にはロッカールームを共有する彼らだが、そこでの雰囲気についての質問も飛んだ。これについてジョコビッチは「ナダルやフェデラーと同じロッカールームを使うときは、互いを避けているよ」と笑う。

「ロッカールームはそれほど広くないから、自分の使うロッカーに隠れている。隣のシャワールームを使うこともあるけど、絶対に見ないようにしている。やりづらいし、少し気まずいよ。そこにはいろんな感情が渦巻いているからね」と明かした。

 確かに、フェデラーやナダルと比較すると、彼の人気は劣るかもしれない。しかし、歴代でも最高のテニスプレーヤーの一人であることは間違いないし、思いやりのある、人格者だということも知られている。

 つい先日も、ベオグラードの道端に姿を現したジョコビッチは、突然その場にいた子どもたちとテニスをして遊びはじめた。たまたま目撃した第三者が、その様子を動画に収めてSNSにアップすると、世界中から大反響を呼んでいた。

 現在32歳の彼だが、ツアーではいまだ絶対的な強さを見せる。人気では他のビッグ3に敵わないにせよ、男子テニス界を引っ張る存在として、様々な方面で活躍してくれることを期待したい。

文●誉田優(フリーライター)

早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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