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海外テニス

元世界39位の男子テニス選手に4年間の資格停止処分。血液ドーピングを認め「愚かな判断だった」。調査方法には不満も<SMASH>

中村光佑

2026.03.18

血液ドーピングを自ら認め、4年間の出場停止処分を科されたマトセビッチだが、ITIAの調査方法を批判し、審理を欠席するなど、不満な面もあるようだ。(C)Getty Images

血液ドーピングを自ら認め、4年間の出場停止処分を科されたマトセビッチだが、ITIAの調査方法を批判し、審理を欠席するなど、不満な面もあるようだ。(C)Getty Images

 テニスの不正行為を監視する独立機関「国際テニス・インテグリティ・エージェンシー」(ITIA)は3月16日に公式サイトを更新し、男子テニス元世界ランキング39位で現在はコーチとして活動するマリンコ・マトセビッチ氏(オーストラリア/40歳/2018年引退)に対し、テニス・アンチ・ドーピング・プログラム(テニスにおける反ドーピング規則/TADP)に基づく4年間の資格停止処分を科したと報告した。

 今回の裁定は、ITIAの調査手続きを経て独立裁判所により下されたもの。処分が確定した2026年3月16日から30年3月15日まで、同氏はITIAやATP(男子プロテニス協会)、ITF(国際テニス連盟)が管轄する各種大会や関連イベントへの出場・コーチング・出席をはじめ、あらゆる公式テニス活動への関与が禁じられる。

 報告によると、マトセビッチ氏は18年から20年にかけて5件のドーピング違反を犯したと認定された。これには現役時代における血液ドーピング(自己血や他者血を輸血することで酸素運搬能力を上げ、持久力を向上させる不正行為)の遂行や他選手への血液ドーピングの幇助、薬物検査で陽性を回避する方法についての助言、さらには禁止物質クレンブテロール(気管支拡張剤)の所持および使用が含まれる。

 当初マトセビッチ氏は全ての容疑を否認していたものの、審理を前にした今年初めに自身のSNSで声明を発表し、「愚かな判断だった」として血液ドーピングの実施については容疑を認めていた。
 
 一方で、ITIAの調査手続きについては「不公平で腐敗している」と強く反発。「脅迫的に情報を取得し、数年前の写真やメッセージをもとに立件しようとしている」と批判し、「血液ドーピング以外の告発は馬鹿げたものだ」との主張を展開していた。

 その後のマトセビッチ氏の対応は混乱を招くものとなった。審理は26年2月9日に予定通り実施されたが、同氏は複数回の通告を無視し、これを欠席。本人不在のまま裁定が下される形となった。最終的に20年以前のクレンブテロールの所持および使用に関する単一の違反については証拠不十分により立証されなかったものの、その可能性については指摘された。

 裁定を受け、マトセビッチ氏は資格停止処分に加え、血液ドーピングが判明した18年2月前後に出場したメキシコ・モレロスおよびアメリカ・インディアンウェルズのATPチャレンジャー大会(男子下部大会)における成績と賞金は失効となる。処分を不服とする場合はスポーツ仲裁裁判所(CAS)への上訴が可能だが、現時点でその意向は確認されていない。

文●中村光佑

【画像】マトセビッチへの4年間の資格停止処分を報告したITIAのX画面

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