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国内テニス

ケガで戦線離脱中にテニスの改良に取り組んだ大器・石井さやか。「結果的には良い時間だった」と語る、世界651位からの再出発<SMASH>

内田暁

2026.04.20

手首のケガでツアーを離れて8カ月、石井さやかは自身のテニスに様々な改良を加えた。特にバックハンドは「自分の中ではかなり変わっている」と語る。写真提供:富士薬品セイムス ウィメンズカップ

手首のケガでツアーを離れて8カ月、石井さやかは自身のテニスに様々な改良を加えた。特にバックハンドは「自分の中ではかなり変わっている」と語る。写真提供:富士薬品セイムス ウィメンズカップ

 2年前、彼女は大阪市開催の「富士薬品セイムス ウィメンズカップ」で、トロフィーを掲げた。当時18歳。ジュニアでは数々のタイトルを手にし、世界ランク最高5位にも達した彼女だが、「おとな」の大会ではこれが初タイトルだった。さらには同年10月には、決勝戦で18歳の齋藤咲良に競り勝ち、19歳にして全日本選手権タイトルも獲得。翌2025年3月にはWTAランキング188位に到達した。

 武器は、175センチの長身から繰り出す、目の覚めるようなフォアハンドの強打。あらゆる意味でスケールの大きな石井さやかは、日本テニス界期待の若手だ。

 その彼女が現在、日本国内のITF大会を転戦している。ランキングは651位。理由はひとえに手首のケガのため、約8カ月の長きにわたり戦線離脱したためだ。

「昨年の4月あたりから痛みが出始めました。それでもグランドスラム(四大大会)には出たかったので、リハビリをしながら試合には出続けていたんですが......」

 ランキングの上昇に伴い、戦いのステージもグランドスラム予選などに上がった時分。そのチャンスを逃したくないというのは、当然の切望だろう。
 
 ただ痛みは、徐々にひどくなっていく。ウインブルドン予選を終えた後に、治療に徹することを決めた。

「手首の軟骨に炎症もあって、休まないと治らない状態でした。手術という選択肢もあったのですが、フォーム改善と筋力強化で治せる可能性があったので、保存療法を選んだんです」
 
 石井の手首のケガは、1つの動きを起点としたものではなく、ストレスの蓄積によって生じる、いわゆる「スポーツ障害」だ。つまり手術も、抜本的な解決にはなり得ない。そこで石井はコーチたちと共に、自身のテニスそのものを見つめ直した。

「ケガの理由の1つとして、私は関節の可動域が広いので、手首に負担がかかりやすかったようです。特にバックハンドで痛みが強かったので、そこを中心に改善しました。

 そのために、まず改善したのが、フットワークです。手打ちになりやすかったので、しっかり足を使って打つように意識を変えました。バックを打つ時はクローズドスタンス中心だったんですが、今回のケガをきっかけに、オープンでも打てるようにしています。あと重点的に強化したのが、前腕です。私、前腕の筋力がかなり弱かったみたいなんです、こう見えて」

 長身の背を伸ばし、石井が気恥ずかしそうに笑う。

「ケガの期間はつらかったですけど、結果的には良い時間だったと思います。大会に出ながらだとフォームを変えるのは難しいですし、弱い部分をしっかり鍛えることもできたので。特にバックハンドは、外から見たらあまりわからないかもしれませんが、自分の中ではかなり変わっています」
 
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