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テニスをしながら学業にいそしむ、ブラジルの勤勉青年がツアー優勝!19歳、ザイボチ-ヴィウチとは?

誉田優

2020.03.03

ジュニアでも輝かしい活躍を残したザイボチ-ヴィウチ。(写真は2018年の全仏ジュニア)(C)GettyImages

 24日に行なわれたチリ・オープン決勝で、自身初のツアータイトルを獲得したチアゴ・ザイボチ-ヴィウチ。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したブラジルの若武者は、ノルウェー出身の世界38位、キャスパー・ルードを倒し、優勝杯を手にした。

 間もなく20歳の誕生日を迎える、2000年3月生まれの19歳。歴代のブラジル出身選手の中で、最も若くしてツアー優勝を果たした。2018年にプロデビューして、わずか2年目で成し遂げられた快挙だ。これにより、大会前には182位だったランキングを、113位にまでジャンプアップさせた。

「ありえないくらいの快挙だよ。いつもこの日を夢見ていた。試合が進むにつれて、自分自身がコートにいるということをますます感じていた。一歩ずつ進まなきゃ、って考えてたよ。決勝戦では、違う大会だと思い込む必要があった。まるで、これまでにも最終週まで勝ち残ったことがあるかのようにね。そして僕はチャンスをつかんだんだ」と語った。
 
 ザイボチ-ヴィウチは、プロデビュー直前の2018年に全米オープンジュニアで優勝。満を持してのプロ転向後は、チャレンジャーツアーへの参戦を重ね、昨年11月のグアヤキルチャレンジャーでは初優勝を果たした。

 目標とする選手は、ラファエル・ナダル。「コートで見せる彼の情熱、すべてにおいてファイトする姿勢には驚かされる。もし彼の成し遂げたことのうち20%でも達成できたら、それは素晴らしいことだろうね」という。

 そんなザイボチ-ヴィウチには、意外な一面もある。教育を重要視する家庭に生まれた彼は、母親の望んでいたように大学へ通うことはできなかったが、ツアーで各国を飛び回る傍ら、学業にも熱心に取り組んでいるようだ。「今(ツアー参加中)はオンライン授業を受けているんだ。長時間移動しているときにも、集中力を絶やさないで済むからね」と語る。

 文武両道の精神を持つブラジルの若い才能が、今後どのような活躍を見せてくれるのか注目したい。

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文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
 
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