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海外テニス

イタリア2番手のムゼッティが明かす、王者シナーが強すぎるが故の葛藤「自分への評価が厳しくなっている」<SMASH>

中村光佑

2026.05.10

王国イタリアにおいては、トップ10にいるムゼッティ(右)ですらシナー(左)と比較されることで厳しい評価を強いられる。(C)Getty Images

王国イタリアにおいては、トップ10にいるムゼッティ(右)ですらシナー(左)と比較されることで厳しい評価を強いられる。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー公式戦「イタリア国際」(5月6~17日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)に出場している世界ランキング10位のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/24歳)が、欧米メディア『Eurosport』イタリア版のインタビューに回答。同胞の王者ヤニック・シナー(24歳)の圧倒的な活躍による自身の立場の難しさについて、揺れる胸の内を明かしている。

 イタリアテニス界はまさに今が黄金期。その中心にいるのが、四大大会4勝を含むツアー28勝を挙げているシナーだ。彼は同国テニス史上初の記録を次々と打ち立てており、世界ランキング1位、ウインブルドン優勝、マスターズ1000シリーズ5大会連続優勝など、その実績は群を抜く。

 そんな若き王者に続く存在として、ムゼッティもトップレベルで安定した成績を残している。すでに全ての四大大会でベスト8(うち2度は4強)に進出し、今年1月には世界ランキングでもキャリアハイの5位を記録。今季はケガもあってここまで17試合で11勝6敗とやや苦戦しているものの、年明けの「香港オープン」(ATP250)では準優勝を飾っている。

 そうした自身の活躍は、シナーが「イタリアテニス界に新たな道を切り開いてくれた」からこそだと、ムゼッティはインタビューで語っている。「彼がやってきたことは、イタリアでは誰も成し遂げたことがないものばかりだ。成績やランキングを見てもそれは明らかで、彼が世界1位に就いているのも納得だ」
 
 一方でムゼッティは、皮肉にもシナーが活躍すればするほど「自分への評価がより厳しくなっている」と感じており、それが自身のパフォーマンスにも影響を与えているという。2022年の「テニス・ナポリ・カップ」(ATP250)でツアー2勝目を挙げて以降は、先述の香港を含め決勝で7連敗。そうした現状も、その見方に拍車をかけている。

「自分でもファンや有識者の評価基準がかなり上がっているように感じている。世界ランキングで自己最高の5位を記録し、全ての四大大会で準々決勝進出、うち2度は準決勝に進んだにもかかわらず、最初に言われるのは僕が4年間タイトルを獲得できていないことだ」

 決勝7連敗という記録は裏を返せば、それだけ過酷なツアーで結果を残し続けていることの証左でもある。それでもムゼッティに厳しい視線が向けられるのは、同胞のシナーがタイトルを次々と積み上げていることとの比較に加え、期待の大きさの表れだろう。もっとも本人は「とにかく前に進み続けるしかない」とポジティブな姿勢を崩していない。

文●中村光佑

【連続写真】ラリーの中で意図的にペースを変えるムゼッティのバックハンドスライス「30コマの超分解写真」

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