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海外テニス

名手ナダルが自身の博物館オープンで語った「偉大な選手より1人の人間として記憶されたい」という思い<SMASH>

中村光佑

2026.05.22

四大大会22勝という偉大な記録を残しながらも、常に偉大な選手ではなく、誠実な人間でであることを大切にしてきたというナダル氏。(C)Getty Images

四大大会22勝という偉大な記録を残しながらも、常に偉大な選手ではなく、誠実な人間でであることを大切にしてきたというナダル氏。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランキング1位で、現役時代に四大大会22勝を挙げたラファエル・ナダル氏(スペイン/39歳)が、故郷スペイン・マヨルカ島で運営する「ラファ・ナダル・アカデミー」内に、自身の偉大な軌跡を紹介する博物館をオープンさせた。館内には四大大会のトロフィーや使用ラケットの他、幼少期の思い出のアイテムも並び、20年以上にもわたったナダル氏の輝かしいキャリアを振り返る充実した展示内容となっている。

 来館者向けに上映される展示映像の最後には、「“人”としてどう在るべきか」を大切にする彼の価値観を象徴する言葉が残されている。

「偉大なテニス選手としてではなく、マヨルカ島出身の1人の人間として記憶されたい」

 先日行なわれた同博物館のオープニングセレモニーでもナダル氏は、「数字は明確に目に見えるものであり、語られる必要はない。それよりも重要なのは、人としてどう接してきたかという“目に見えないもの”だ」と語っていた。

 事実、彼は長いキャリアの中で、常に“選手としての自分”と“人間としての自分”を切り離して考えてきたという。また、完璧さや模範であることを目指してきたわけではないとも明かしている。
 
「私は、自分の“選手としての姿”が“人としての自分”を上回るべきだと思ったことはなく、その中で完璧であろうとしたこともない。自分の倫理観や成長過程に従いながら、できる限り正しい行動を心掛けてきた」

 さらに、日常の人間関係に価値を置いてきたことも強調する。彼自身、幼少期からの友人関係や家族との距離感は、プロテニス選手として成功した後もほとんど変わっていないという。

「私が最も満足しているのは、子どもの頃からの友人が今も変わらずそばにいてくれること、そして私自身がごく普通の生活を送れていることだ」

 そして最後にナダル氏は大会スタッフや裏方の人々との関係性についても触れ、「大会の裏方で働く人々は、選手の本当の姿を見ている。そういう人たちの評価こそが、その選手の本質だと思う」と、改めて人としての振る舞いの大切さを説いた。

 1人の人間として、どのように人と接し、どのように生きてきたか。それを自身のレガシーとして残そうとする姿は、いかにもナダル氏らしい。

文●中村光佑

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