四大大会本戦67度目の出場となった今大会は、1回戦でワイルドカード(主催者推薦)のセニア・エフレモワ(フランス/現623位)、2回戦でエバ・リス(ドイツ/同81位)に快勝すると、3回戦ではソラナ・シエラ(アルゼンチン/同68位)を6-0、6-0で圧倒。そして現地5月31日に行なわれた4回戦では予選勝者の元49位ワン・シユ(中国/現148位)を6-3、7-6(4)で下し、ベスト8進出を決めた。
シルステアが全仏オープンで8強入りするのは、2009年以来実に17年ぶり2度目。同大会女子シングルスのベスト8進出者としては、1968年のオープン化以降で史上3番目の年長記録となった。ワン戦後のメディア対応で36歳は09年大会を振り返りつつ、感慨深げにこう語っている。
「当時はまだ若かったし、ツアーに出始めたばかりで、ただがむしゃらにプレーしていた。だから自分の身に何が起きているのかもあまりわかっていなかった。それから長い年月を経た今は経験も重ね、精神的にも成熟した。その時とは全く別の選手になったと感じている。同時にそれは、自分にとってとても美しいこと。今起きている全てのことに本当に感謝しているし、この年月の中で自分が選手として成長してきたことを実感できたから、とてもうれしい」
シルステアは昨年12月に2026年シーズン限りでの引退を明言。それ以降、彼女は素晴らしい活躍を見せており、今年2月に母国で開催された「トランシルバニア・オープン」(ルーマニア・クルジュ=ナポカ/室内ハードコート/WTA250)でツアー4勝目を飾ったほか、先日の「イタリア国際」(クレー/WTA1000)では3回戦で現女王アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)を撃破。そして今大会も好調を維持し、悲願の四大大会初優勝も射程圏内に入ってきた。
「今年は予想していたよりもずっとうまくいっている。最後のシーズンに臨むにあたって、良い形でツアーを去りたい、本当に良い結果を残したいと思ってはいたけど、ここまでうまくいくとは正直思っていなかった」
それでも現時点では「引退を撤回するつもりはない」という。今はただ「1週ずつ、目の前のことに集中しようとしている」だけで、「何かを変えたり、自分にプレッシャーをかけたりするつもりもない」とコメント。よほどのことがない限り、自らの決断を覆す考えはないと強調した。
4強入りを懸けた準々決勝では、第8シードの19歳ミラ・アンドレーワ(ロシア/現8位)と対戦するシルステア。厳しい戦いは続くが、このまま頂点まで駆け上がれるか、注目だ。
文●中村光佑
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