女子テニス世界ランク25位のソラーナ・シルステア(ルーマニア/33歳)が、現地9月19日に母国のテニス連盟が公式X(旧ツイッター/@WTARomania)に公開したインタビュー動画に登場。先日テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」から2件のドーピング違反を理由に、4年間の資格停止処分を科された同胞の元女王シモナ・ハレップ(ルーマニア/31歳)を擁護した。
既報の通りハレップのドーピング違反は、去年8月の全米オープンで採取した検体を検査した際、2つのサンプルのうちの1つからWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止物質リストに記載されている「ロキサデュスタット」が検出されたことによるもの。もう片方のサンプルからも同様の所見が確認されたため、強制的な暫定出場停止処分が下されていた。
それに追い打ちをかけるように、今年5月には「生体パスポート」(選手の血液成分などの情報を蓄積したデータ)に関わる違反が発覚。ITIAは現地9月12日に声明を発表し、「ハレップがアンチ・ドーピング規則違反を犯したことを確認した」と通告した。
だが共にルーマニアテニス界を牽引してきた仲間として、ハレップをよく知るシルステアからすれば、「今回の決定は到底信じられない」と言う。さらにシルステアは、ハレップに限らず多くの選手が「無実であるはずなのに罰を受けている」として、ドーピング検査の在り方に批判的な見方を示している。
「私はシモナのことを(よく)知っているけど、彼女が故意にドーピング違反をしたとは思えない。私たちの世界では無実の選手が資格停止処分を受けている(ように感じられる)。彼女は、アスピリン(鎮痛薬)であっても、何かを摂取することを常に恐れていて、不安や恐怖に押しつぶされそうになっていた。でもこのような状況はどんなアスリートにとっても悪夢のようなものよ」
実はハレップの資格停止処分が下された直後、元世界1位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)が自身の公式X(@serenawilliams)で「8の方が良い数字よ」とツイートし、暗にハレップを糾弾したことが物議を醸した。
海外テニスメディア『tennisuptodate』によると上記のツイートは、2019年のウインブルドン決勝で、セレナがハレップに敗れて8度目の同大会優勝を阻まれたことと、ドーピング違反の内容が悪質だとして、ハレップに課された4年間の資格停止処分を倍の8年間に延ばすべきとの考えを重ねたのではないかと憶測が飛び交っているという。
それを踏まえつつもシルステアは、改めてハレップに罪はないはずだと主張した上で、回りくどく同郷の元女王を批判したセレナを以下のように非難した。
「セレナに関して言えば、彼女は選手としては非常に優れているけど、人間としては常にとても傲慢だった。彼女は誰かが自分を倒したり、タイトルを奪ったりする可能性を受け入れなかった」
テニス界に波紋を広げているハレップのドーピング違反。まだまだ事態の収束は見えてきそうにない。
文●中村光佑
【関連記事】ドーピングによる4年間の資格停止処分にハレップが猛反論!「明らかな証拠はなく、正気の沙汰ではない」<SMASH>
【関連記事】元女王ハレップにドーピング違反による4年間の出場停止処分が下る。「ショックと失望を抱く」とCASへの提訴を表明<SMASH>
【PHOTO】ハレップはじめ、なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
既報の通りハレップのドーピング違反は、去年8月の全米オープンで採取した検体を検査した際、2つのサンプルのうちの1つからWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止物質リストに記載されている「ロキサデュスタット」が検出されたことによるもの。もう片方のサンプルからも同様の所見が確認されたため、強制的な暫定出場停止処分が下されていた。
それに追い打ちをかけるように、今年5月には「生体パスポート」(選手の血液成分などの情報を蓄積したデータ)に関わる違反が発覚。ITIAは現地9月12日に声明を発表し、「ハレップがアンチ・ドーピング規則違反を犯したことを確認した」と通告した。
だが共にルーマニアテニス界を牽引してきた仲間として、ハレップをよく知るシルステアからすれば、「今回の決定は到底信じられない」と言う。さらにシルステアは、ハレップに限らず多くの選手が「無実であるはずなのに罰を受けている」として、ドーピング検査の在り方に批判的な見方を示している。
「私はシモナのことを(よく)知っているけど、彼女が故意にドーピング違反をしたとは思えない。私たちの世界では無実の選手が資格停止処分を受けている(ように感じられる)。彼女は、アスピリン(鎮痛薬)であっても、何かを摂取することを常に恐れていて、不安や恐怖に押しつぶされそうになっていた。でもこのような状況はどんなアスリートにとっても悪夢のようなものよ」
実はハレップの資格停止処分が下された直後、元世界1位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)が自身の公式X(@serenawilliams)で「8の方が良い数字よ」とツイートし、暗にハレップを糾弾したことが物議を醸した。
海外テニスメディア『tennisuptodate』によると上記のツイートは、2019年のウインブルドン決勝で、セレナがハレップに敗れて8度目の同大会優勝を阻まれたことと、ドーピング違反の内容が悪質だとして、ハレップに課された4年間の資格停止処分を倍の8年間に延ばすべきとの考えを重ねたのではないかと憶測が飛び交っているという。
それを踏まえつつもシルステアは、改めてハレップに罪はないはずだと主張した上で、回りくどく同郷の元女王を批判したセレナを以下のように非難した。
「セレナに関して言えば、彼女は選手としては非常に優れているけど、人間としては常にとても傲慢だった。彼女は誰かが自分を倒したり、タイトルを奪ったりする可能性を受け入れなかった」
テニス界に波紋を広げているハレップのドーピング違反。まだまだ事態の収束は見えてきそうにない。
文●中村光佑
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【PHOTO】ハレップはじめ、なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子