今年5月のテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)で表面化した、収益配分率を巡るトップ選手たちの抗議活動。今月末に開幕する「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)は、賞金総額を過去最高となる6420万ポンド(約138億円/前年比20%増)に引き上げたことで、選手側もこれを「真に意義のある前進」と歓迎していた。しかし、トップ選手たちは抗議活動をさらに拡大する構えを見せており、大会側との緊張状態が続いている。
全仏オープンでは、ヤニック・シナー(イタリア/世界ランキング1位)やアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同1位)らトップ選手が、大会前のメディア対応を15分に制限する行動を起こした。ウインブルドンではこれに留まらず、大会前のメディア対応に加え、大会第1週の試合後の対応も15分に制限する計画だという。
選手側は、グランドスラムが選手へ還元している収益割合がおよそ15%にとどまっていることへの抗議の意味を込め、この時間設定を行なっているとみられる。選手代表によれば、この決定は「両ツアーの選手たちとの詳細な協議の結果」下されたものだという。
選手側は今回の賞金増額を歓迎している一方、大会収益の16%に相当する収益配分率を全グランドスラムに求めており、今回の賞金総額はその水準を約700万ポンド(約15億円)下回っている。また、賞金だけでなく、選手福祉基金への拠出や大会運営への発言権強化なども要求しているが、これらの課題についてウインブルドンから「実質的な回答」を得られていないと主張している。
これに対し、ウインブルドンを主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は、選手たちの行動に「驚き、失望している」との声明を発表した。
その中で「ウインブルドンは、全ての決定において選手を中心的な存在に据えており、毎年彼らに多大な投資を行なっています」と強調し、世界最高水準の競技環境を整備するため、3年間にわたる施設改修計画の一環として、選手用施設にも数億ポンド規模の投資を続けていると説明した。
また英公共放送『BBC』によると、AELTCのデボラ・ジェバンス会長は、選手たちが求める収益配分率を指標とする考え方について、「私たちはパーセンテージを見ていません。実際、それが適切な指標であるとは信じていません」と反論。収益だけでなく施設整備やグラスコートテニスへの投資など多くの費用を抱えており、収益のみを基準に持続可能な運営はできないとの考えを示している。
さらにAELTC側は、昨年末に選手評議会設立に向けた協議を提案したものの、選手側に拒否されたとしており、双方の主張には依然として隔たりがある。
グランドスラムの規定では、本戦出場選手は競技の普及やファンとの接点を広げる目的で、大会前および大会期間中のメディア対応に参加する義務を負う。正当な理由なく欠席した場合は最大5万ポンド(約1060万円)の罰金が科される可能性がある。
ウインブルドン期間中には、全仏オープンを主催するフランステニス連盟との協議も予定されている。また、8月末開幕の全米オープンに向けた賞金交渉も続く見込みだ。収益配分率や選手福祉を巡る議論は、今後も四大大会全体を巻き込むテーマとなりそうだ。
構成●スマッシュ編集部
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全仏オープンでは、ヤニック・シナー(イタリア/世界ランキング1位)やアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同1位)らトップ選手が、大会前のメディア対応を15分に制限する行動を起こした。ウインブルドンではこれに留まらず、大会前のメディア対応に加え、大会第1週の試合後の対応も15分に制限する計画だという。
選手側は、グランドスラムが選手へ還元している収益割合がおよそ15%にとどまっていることへの抗議の意味を込め、この時間設定を行なっているとみられる。選手代表によれば、この決定は「両ツアーの選手たちとの詳細な協議の結果」下されたものだという。
選手側は今回の賞金増額を歓迎している一方、大会収益の16%に相当する収益配分率を全グランドスラムに求めており、今回の賞金総額はその水準を約700万ポンド(約15億円)下回っている。また、賞金だけでなく、選手福祉基金への拠出や大会運営への発言権強化なども要求しているが、これらの課題についてウインブルドンから「実質的な回答」を得られていないと主張している。
これに対し、ウインブルドンを主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は、選手たちの行動に「驚き、失望している」との声明を発表した。
その中で「ウインブルドンは、全ての決定において選手を中心的な存在に据えており、毎年彼らに多大な投資を行なっています」と強調し、世界最高水準の競技環境を整備するため、3年間にわたる施設改修計画の一環として、選手用施設にも数億ポンド規模の投資を続けていると説明した。
また英公共放送『BBC』によると、AELTCのデボラ・ジェバンス会長は、選手たちが求める収益配分率を指標とする考え方について、「私たちはパーセンテージを見ていません。実際、それが適切な指標であるとは信じていません」と反論。収益だけでなく施設整備やグラスコートテニスへの投資など多くの費用を抱えており、収益のみを基準に持続可能な運営はできないとの考えを示している。
さらにAELTC側は、昨年末に選手評議会設立に向けた協議を提案したものの、選手側に拒否されたとしており、双方の主張には依然として隔たりがある。
グランドスラムの規定では、本戦出場選手は競技の普及やファンとの接点を広げる目的で、大会前および大会期間中のメディア対応に参加する義務を負う。正当な理由なく欠席した場合は最大5万ポンド(約1060万円)の罰金が科される可能性がある。
ウインブルドン期間中には、全仏オープンを主催するフランステニス連盟との協議も予定されている。また、8月末開幕の全米オープンに向けた賞金交渉も続く見込みだ。収益配分率や選手福祉を巡る議論は、今後も四大大会全体を巻き込むテーマとなりそうだ。
構成●スマッシュ編集部
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