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海外テニス

ジョコビッチの圧倒的な強さの秘訣はタイブレークにあり?ウインブルドン決勝でのミスの数は…【男子テニス】

誉田優

2020.03.13

どんなボールを打っても確実に帰ってくる。そして最後はジョコビッチのポイントに…。それが彼の強さだ。(C)GettyImages

どんなボールを打っても確実に帰ってくる。そして最後はジョコビッチのポイントに…。それが彼の強さだ。(C)GettyImages

 今シーズン開幕から、18連勝と好調のノバク・ジョコビッチ。ATP公式サイトでは、そんな彼のタイブレークでの強さに注目している。2019年のウインブルドン選手権以降、合計18セットをタイブレークに持ち込み、そのうち17セットを勝ち取っている。

 2020年のノバク・ジョコビッチも絶好調だ。シーズンが始まってからの2カ月だけを見ると、タイブレークでは8勝0敗で勝率100%。開幕戦のATPカップでは、初戦のケビン・アンダーソン戦で2度、準々決勝のデニス・シャポバロフ戦、決勝でのラファエル・ナダル戦でもそれぞれ1度ずつタイブレークを制した。さらに、2月末のドバイ選手権の準決勝では、ガエル・モンフィスを相手に、第2セットのタイブレークで3連続マッチポイントを凌いで勝利した。

 彼のタイブレークでの圧倒的な強さ要因はどこにあるのか。
 まず言えるのは、より戦略的なプレーに努めているということだ。着実にベースラインへとボールを送り込み、突拍子もないことをしない。確実なショットこそが、勝利を呼ぶのである。
 
 タイブレークを制するには、ミスをせず、対戦相手の気持ちをいかに乱すかが重要だ。例えば、2019年ウインブルドン決勝のフェデラー戦では、タイブレークだけで33ポイントを数えたが、リターンを除いたストロークでのエラーは、フェデラーの19本に対し、ジョコビッチはわずか1本。

 また、通常のゲームでは、フェデラーはサーブ&ボレーや、ネットプレーでのポイントが多いが、このタイブレークでのネットプレーはたったの2回で、ポイントにつなげたのはそのうち1回のみ。ほぼすべてのポイントで、ベースライン際の打ち合いに終始していた。

 タイブレークになると、気持ちが急いて、プレーにも焦りが見られる選手が多い。自分との戦いという面が非常に強く、普段通りのプレーができなくなるものだ。そんな中でもジョコビッチは、普段通りの安定したグラウンドストロークで相手のエラーを誘いながら、1ポイントずつ着実に、セット獲得に向けて積むことができる。

 攻撃的なショットで攻めていくよりも、無理せず相手のミスを誘う守りのプレーに徹する。ジョコビッチの絶対王者たる所以はそこにある。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda

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