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海外テニス

「圭さんを見ながら育った」20歳・坂本怜が錦織撃破!“最後の全米オープン”でバトンを受け継ぐ<SMASH>

中村光佑

2026.08.29

現役最後の全米オープン予選に挑んだ錦織。惜しくも、かつて自身に憧れた20歳・坂本に敗れ、次世代へのバトンを託す形となった(写真は試合後に行われたセレモニー)。(C)getty Images

現役最後の全米オープン予選に挑んだ錦織。惜しくも、かつて自身に憧れた20歳・坂本に敗れ、次世代へのバトンを託す形となった(写真は試合後に行われたセレモニー)。(C)getty Images

 今季限りでの現役引退を表明している男子テニス元世界ランキング4位の錦織圭(現477位)。その“最後のグランドスラム大会”が幕を閉じた。現地時間8月28日に行なわれたテニス四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)のシングルス予選決勝で、坂本怜(同157位)との日本人対決に臨んだものの4-6、6-7(3)で敗戦。この結果、坂本が同大会初の本戦進出を決めた。

 テニス界最高峰となる四大大会本戦の切符を懸けた大一番で実現した、何ともドラマチックな同国対決。当初試合は現地27日に予定されていたものの、雷雨の影響で翌28日に順延となり、仕切り直しの一戦となった。

 序盤は坂本に硬さが見られ、錦織が早々にブレークを奪ってリード。しかし直後にブレークバックを許すと、第5ゲームでもサービスゲームを落とし、主導権は徐々に坂本へ。時速220キロを超える強力なサービスと積極的なストロークで錦織を攻め立て、第1セットを先取した。

 後がなくなった錦織は第2セット、再三ブレークポイントを握られながらも持ち前の粘りを発揮。計4本のブレークポイントを凌いでサービスキープを続ける一方、坂本も安定したプレーを見せ、互いに譲らないままタイブレークへともつれ込んだ。

 ここで一歩抜け出したのは坂本だった。序盤からポイントを先行すると、その後も高い集中力を維持して錦織に反撃の糸口を与えない。最後は強烈なサービスエースを叩き込み、1時間42分でストレート勝利。憧れの大先輩を乗り越え、本戦の切符をつかみ取った。
 
 勝った坂本は試合後、長年ツアーの第一線で活躍し、そして日本テニス界に新たな扉を開いた錦織への大きな敬意をこう表した。

「僕は圭さんのプレーを見ながら育ってきましたし、ずっと憧れの存在でした。今年が彼の最後のシーズンになるのは、言葉では言い表せないほど寂しいです。テニス界にとって、そして日本のテニス界にとってどれだけ大きな存在だったのかということを実感しています。実際、圭さんの活躍がきっかけでテニスを始めたという日本の若い選手はたくさんいると思います」

 そしてこの日は、2014年の全米でアジア人男子選手史上初の四大大会シングルス決勝進出を果たし、同大会で計3度(14、16、18年)のベスト4入りを経験した錦織の功績を称える特別セレモニーも行なわれ、記念パネルが贈呈された。

 錦織は「これが最後の四大大会出場ということで緊張していました」と今大会を振り返りつつ、思い出のニューヨークでプレーできたことへの感謝を口にした。また敗れた相手が坂本だったことについては、「他の選手に負けるよりは良かったかなと思います」と笑顔で語った。

 世界のトップを走り続けてきた36歳の大先輩から、その背中を追ってきた20歳へ――そのバトンは、次なる世代へと確かに受け継がれた。

文●中村光佑

【動画】試合後に行われた錦織のセレモニーと、全米オープン公式から贈られたトリビュート画像

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