対戦相手と健闘を称える握手を交わすと、コートの中央に歩み出て、客席に向かい激しく拳を突き上げた。
「気持ちよくやれましたね」
試合後に彼は、つとめて冷静にその時のことを振り返る。テニスの四大大会の「全米オープン」。その予選2回戦で、錦織圭が地元アメリカの16歳、マイケル・アントニウスに6-4、6-4で勝利。試合時間は1時間16分。プレー内容的にも、そして本人の表情的にも、恐らくはスコアを上回る快勝だ。
錦織が好調かつ自信を持ってボールを打っていることは、試合開始1本目のラリーから明らかだった。ボールがラケットに吸い付き、時間と空間に溜めが生じ、次の瞬間には弾かれたように美しい弧を描き、ボールがライン際を鋭く抉る。錦織が身体を捻りラケットを構えたら、相手はボールがどちらに来るか、予測すらできなかっただろう。
フォアのウイナーを連発し、最初のゲームを錦織がブレークしてスタート。続くゲームは、サービスからの早い展開でラブゲームキープ。第3ゲームも、フォアのクロス、さらに逆クロスのウイナー連発でまたもブレーク。
「オー・ケイ! オー・ケイ!」
地元のテニスファンたちも、錦織に感嘆のエールを送る。ゲームカウント5-1から3ゲームを返されたが、錦織はさほど危機感を覚えてはいなかっただろう。最後も、この日絶好調のフォアの逆クロスを叩きこんで、第1セットを奪取した。
16歳のアントニウスとの対戦が決まった時、錦織には「ちょっとやりにくい」との思いがあったという。今年4月のATPチャレンジャー大会で、当時17歳のジャック・ケネディ(アメリカ)に敗れた記憶もまだ生々しい。ただ、少ないながらもコーチ陣から相手の情報を得るうちに、良いイメージを抱けていたという。
「サービスのスピードもそれほどではなく、どちらかというとディフェンスの方がうまい選手」
それが、錦織の中でおぼろげに結ばれたアントニウスのイメージだった。ラリー戦がしっかりできる相手なら、なんとでもなるとの精神的余裕も生まれたのだろう。
実際にコートで対峙し受けた印象も、戦前のそれと大差はない。
「最初の方は球も浅かったり。ボールもやっぱり今のトップ100選手と比べると、そんなにスピードもなかったので」
球威で押し切られることさえなければ、錦織ならではの遊び心や創造性が、コートいっぱいに描かれる。会見の席で、「今日は試合を楽しめたか」と問われた錦織は、少しやんちゃな笑みを浮かべて、こう言った。
「気持ちよくやれましたね」
試合後に彼は、つとめて冷静にその時のことを振り返る。テニスの四大大会の「全米オープン」。その予選2回戦で、錦織圭が地元アメリカの16歳、マイケル・アントニウスに6-4、6-4で勝利。試合時間は1時間16分。プレー内容的にも、そして本人の表情的にも、恐らくはスコアを上回る快勝だ。
錦織が好調かつ自信を持ってボールを打っていることは、試合開始1本目のラリーから明らかだった。ボールがラケットに吸い付き、時間と空間に溜めが生じ、次の瞬間には弾かれたように美しい弧を描き、ボールがライン際を鋭く抉る。錦織が身体を捻りラケットを構えたら、相手はボールがどちらに来るか、予測すらできなかっただろう。
フォアのウイナーを連発し、最初のゲームを錦織がブレークしてスタート。続くゲームは、サービスからの早い展開でラブゲームキープ。第3ゲームも、フォアのクロス、さらに逆クロスのウイナー連発でまたもブレーク。
「オー・ケイ! オー・ケイ!」
地元のテニスファンたちも、錦織に感嘆のエールを送る。ゲームカウント5-1から3ゲームを返されたが、錦織はさほど危機感を覚えてはいなかっただろう。最後も、この日絶好調のフォアの逆クロスを叩きこんで、第1セットを奪取した。
16歳のアントニウスとの対戦が決まった時、錦織には「ちょっとやりにくい」との思いがあったという。今年4月のATPチャレンジャー大会で、当時17歳のジャック・ケネディ(アメリカ)に敗れた記憶もまだ生々しい。ただ、少ないながらもコーチ陣から相手の情報を得るうちに、良いイメージを抱けていたという。
「サービスのスピードもそれほどではなく、どちらかというとディフェンスの方がうまい選手」
それが、錦織の中でおぼろげに結ばれたアントニウスのイメージだった。ラリー戦がしっかりできる相手なら、なんとでもなるとの精神的余裕も生まれたのだろう。
実際にコートで対峙し受けた印象も、戦前のそれと大差はない。
「最初の方は球も浅かったり。ボールもやっぱり今のトップ100選手と比べると、そんなにスピードもなかったので」
球威で押し切られることさえなければ、錦織ならではの遊び心や創造性が、コートいっぱいに描かれる。会見の席で、「今日は試合を楽しめたか」と問われた錦織は、少しやんちゃな笑みを浮かべて、こう言った。
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