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得意のバックハンドを生かしてラリー。浅くなったら3つのオプションを考えておく【西岡良仁が自ら語る、戦略・パターン/4】

スマッシュ編集部

2020.03.21

西岡良仁がクロスラリーからのパターンを教えてくれた。写真:THE DIGEST写真部

 現在、自己最高ランキング48位につけ、錦織圭に次ぐ堂々の日本ナンバー2の西岡良仁。170センチの小柄な西岡は、人一倍考えてテニスをしている。どんなことを考えて試合を展開しているのか。戦略と得意なパターンについて教えてもらった。

 最後となる4回目は、左利きの西岡が得意なバックハンドのラリーからのポイントパターンについてだ。

「僕はバックが得意なので、相手のフォアとのクロスラリーも苦にはなりません。フォアと違ってバックはフラット系です。クロスラリーでは、あまり深くは狙わず、少し浅めの丸の部分に打っています(※写真コート図の赤部分)。バックは確率良くここに打てるんです。調子が良い時は ほとんどミスしません」

「僕のバックが浅めなので、相手は少し動きながらちょっと角度を付けて返球してくる場合が多いです。そのショットが来ると、僕はバックで、ダウンザライン(※写真コート図の2)、アングル(※写真コート図の2´)、ドロップショット(※写真コート図の2")を打つことができるので、ラリーの主導権を握れます。フォアよりもバックの展開の方が好きなので、自信を持っているパターンです。相手が返球してきても、相手を動かすか、自分がフォアのクロスラリーを展開(※以前紹介したパターン1)すれば、結果的に長いラリーになります」
 
 相手のボールが短くなったら、前述した3つのオプションから選ぶが、最も多く使うのはダウンザライン。もちろん、その後の展開も考えている。

「バックは得意なので、クロスラリーを長く続けることなく自分から前に入って展開していくことができます。その際、相手の状況によって打つショットを前述した3つの中から選択していきます。基本的にはダウンザラインが多いですね。ダウンザラインに打った後は、相手が走って返球してきますから、次の手はストレートに打ってまた相手を走らせること。または、フォアでクロスに打って、相手にバックの高い打点で取らせるようにすることです。このラリーを続けていると、相手はだんだん疲れてきます」(※写真コート図のPOINT1)