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海外テニス

男子テニス選手を襲う誹謗中傷、AI監視システムで約23万件の悪質投稿を未然に防ぐ! 投稿者の特定も強化へ<SMASH>

中村光佑

2026.10.27

SNS上で深刻化する男子テニス選手への誹謗中傷。ATPはAIを活用した監視システムで、悪質なコメントの検出や非表示化を進めている。(C)Getty Images

SNS上で深刻化する男子テニス選手への誹謗中傷。ATPはAIを活用した監視システムで、悪質なコメントの検出や非表示化を進めている。(C)Getty Images

 男子テニスツアーを管轄するATP(男子プロテニス協会)は10月22日、過去1年間にSNS上で寄せられた370万件以上のコメントを分析した結果、SNSへの投稿に反応が寄せられた男子選手の85%以上が誹謗中傷の対象になっていたと発表した。さらに、AI(人工知能)を活用した監視システムによって、23万4000件以上の悪質なコメントが選手やファンの目に触れるのを未然に防いだことも明らかにした。

 今回の調査は、ATPが選手保護の一環として実施している「セーフ・スポーツ・プログラム」によるもの。AIを用いたコメントの監視と専門家による脅威評価を組み合わせ、ATP公式アカウントや選手個人のSNSに投稿された内容を分析した。

 その結果、28万4000件以上の誹謗中傷コメントが確認され、うち82%以上をリアルタイムで削除・非表示にしたという。また、同プログラムの開始から最初の1年間で、深刻な中傷を含む16万2000件以上のコメントを検出し、非表示にする措置も講じたとのことだ。

 この結果を受け、ATPの選手保護部門ディレクターを務めるアンドリュー・アゾパルディ氏は次のようにプログラムの成果に手応えを口にした。

「選手の心身の健康を守ることは、ATPの保護活動の中心にあります。23万4000件以上の誹謗中傷コメントが選手やファンの目に触れるのを防いだことは、セーフ・スポーツ・プログラムが日々具体的な成果を上げている証拠です。テニス界にオンライン上の誹謗中傷が入り込む余地はありません」
 
 その上で同氏は、選手を守るための技術や専門知識への投資を継続するとともに、悪質な投稿を行なった人物の責任を追及するべく、関係当局との連携を強化する方針も示している。

 近年、テニス界では匿名のSNS利用者による選手への誹謗中傷が深刻な問題となっており、その背景にはスポーツ賭博の存在も指摘されている。こうした問題への対策として、ワールドテニス(旧ITF)、女子プロテニス協会(WTA)、全米テニス協会(USTA)らは、AIを活用した監視サービスを導入。また「全仏オープン」でも選手をオンライン上の嫌がらせやヘイトスピーチ(差別や憎悪をあおる言動)から守るため、専用のソフトウェアを提供している。

 選手を標的とした悪質な投稿が後を絶たない中、ATPによる今回の調査は、テニス界が直面する問題の深刻さと、対策の必要性を改めて浮き彫りにした。

文●中村光佑

【動画】賭博絡みで脅迫や誹謗中傷が生まれる仕組みを解説したアニメーション(英語)

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