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海外テニス

ATPによるダブルス出場数削減や賞金額変更案に対し、猛反発の選手・元選手が公開書簡提出<SMASH>

中村光佑

2026.11.02

男子テニスを統括するATPによるダブルス改革案に対して現役トップ選手や元選手が公開書簡で猛反発している。(C)Getty Images

男子テニスを統括するATPによるダブルス改革案に対して現役トップ選手や元選手が公開書簡で猛反発している。(C)Getty Images

 男子テニスツアーを統括するATP(男子プロテニス協会)が検討しているダブルスの大幅な改革案を巡り、選手側の反発が広がっている。

 このほど現役選手137人、元選手33人、各国のテニス連盟20団体が連名でATPに公開書簡を提出し、ダブルス改革案の再考を求めたことが明らかになった。英公共放送『BBC』や『ロイター通信』など複数の海外メディアが報じている。

 既報の通りATPが2028年シーズンからの導入を検討する改革案は、ダブルスのドロー数削減や賞金配分の変更が柱。四大大会に次ぐ格付けのマスターズ1000では出場枠を現行の32組から16組に半減させ、ATP500や250でも8組まで縮小する方針だ。

 また、シングルスとダブルスの賞金配分を現行の「80対20」から「90対10」に変更し、約2000万ドル(約30億円)をシングルスの賞金に充てる構想も浮上している。

 こうした動きには批判が噴出。ダブルス世界ランキング1位のヘンリー・パッテン(イギリス)を指導するカルビン・ベットン氏は「ATPは『男子プロテニス協会』であって、『シングルス選手協会』ではない」と訴え、場合によっては法的措置に踏み切る可能性まで示唆していた。

 今回の書簡にはパッテンや、そのペアを組むハリ・ヘリオバラ(フィンランド/複現1位)の他、元1位の双子ペア、ボブ&マイク・ブライアン兄弟(アメリカ/いずれも引退)らも名を連ねた。書簡ではツアーの発展や商業的価値の向上に理解を示す一方、改革案は行き過ぎたものだと主張。賞金や出場機会の削減によって、ダブルス専門選手が安定したキャリアを築くことが困難になると警鐘を鳴らしている。
 
 過去にダブルス改革を巡ってATPと法廷で争ったブライアン兄弟は、選手側が法的手段を取る場合には支援する姿勢を示す。ボブ氏は、現在の男子ツアーがかつてないほど財政的に健全な状態にあるとして、「機会を減らすのではなく、もっと増やすべきだ」と主張した。

 また、書簡の作成に携わった複現60位のセム・フェルケルク(オランダ)も『BBC』の取材に対し、「今回の改革案は選手たちのキャリアや生活、夢を壊してしまう。我々は歴史があり、なおかつ大きな未来を持つテニスの一種目を失う危険にさらされている」と危機感を表明。さらに自身のSNSでもこう綴った。

「テニスは単なるビジネス以上のものだ。喜びや健康、スポーツマンシップによって築かれてきた伝統がある。そうした価値観を持つスポーツは、扉を閉ざすのではなく、開くべきだ」

 一方のATPは、ダブルスが今後もツアーの重要な一部であると強調。大会運営費や収益、観客の関心などを踏まえ、長期的に持続可能な競技形式を模索していると説明している。改革案はまだ正式決定しておらず、11月にイタリア・トリノで開催されるATPファイナルズ(シーズン最終戦)に合わせた理事会で審議される見通し。反発が広がる中、ATPが今回の要求にどう対応するのか注目される。

文●中村光佑

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