海外テニス

”テニス選手じゃなければボクサーになりたかった”チョリッチが、マイク・タイソンとの対面を興奮気味に語る

誉田優

2020.04.08

ナダルやフェデラーに勝利するなど、大物食いも見せている、実力派のチョリッチ。(C)GettyImages

 クロアチアのエースであるボルナ・チョリッチ。現在世界33位の彼は、強靭なフィジカルを武器に、ベースラインから一定のペースでストロークを打ち続けるプレースタイルで勝ち星を重ね、2017年10月30日以来、50位を下回ったことはない。そんな安定感抜群のチョリッチについて、ATP公式サイトが特集した。

 以前からツアーで活躍している印象だが、彼はまだ23歳。非常に早くから開花しており、2014年のスイス室内では、17歳にしてラファエル・ナダルを、翌年にはドバイ選手権でアンディ・マリーを打ち負かしている。また、この2人との過去の対戦成績は2勝2敗のイーブン。これだけでもいかに素晴らしい選手なのかがわかる。

 2017年に、マラケシュのATP250大会で初のツアー優勝を果たすと、同年のネクストジェンファイナルの第1回大会に出場。ATPランキングは12位に上昇した。また、2018年にはハレでツアー2勝目を獲得。この大会は、年間でも数少ないグラスコート開催のATP500大会だが、初戦で当時世界3位のアレクサンダー・ズベレフを圧倒すると、決勝では芝の王者ことロジャー・フェデラーをフルセットの末に破る金星を挙げた。

 クロアチアでジュニアトーナメントに参加していたチョリッチ少年は、普通なら嫌いな人が多いであろう月曜日が好きな曜日だったという。その理由は、月曜に開催される試合に出場する時には学校を休むことができたから…。

「学校には行きたくなかったし、学校を休むのってなんだかカッコ良いことだと思っていたんだ。月曜日に決勝戦だった時の気持ちといったら最高だったよ!」と嬉しそうに語った。
 
 人生初の国際大会についても鮮明についても覚えているようだ。それは2005年のローマ大会だったというが、ここでは惜しくも準優勝となった。

「細かいことまで、すべて覚えているよ。2週間前から大会に向けて準備をしていたんだ。家族みんなで、小さなバンに乗って行った。4人で乗るには狭かったけれど、当時の僕は気にしていなかった。とても楽しかったよ。決勝戦の後は100回、腕立て伏せと腹筋をした。負けてしまったことがとにかく悔しかったんだ」と思い出を語る。

 もしテニス選手としての人生を選んでいなければ、ボクサーになりたかったというチョリッチ。好きなスポーツ選手はボクサーのマイク・タイソンだ。2016年のBNPパリバ・オープンの時に、念願かなって会うことができた。

「僕はいつもYouTubeで彼を見ていたから、信じられなかったよ。いつもは彼の試合にわくわくさせられていたけれど、話すととても楽しい人だった。試合に打ち込む姿が大好きだ。とてもかっこいいんだもん。ずっと会いたかったんだ」と興奮気味に語る。

 現在、新型コロナウイルスの影響によりツアーは中断しているが、チョリッチも自宅でのトレーニングに励んでいる。自身のTwitterでは、ファンに向けて「家でもアクティブに」というメッセージと共に、トレーニングの様子を投稿している。困難な状況だが、持ち前の強靭なフィジカルを維持し、再開後のツアーでも活躍を続けてほしい。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu_honda/instagram:yu_honda

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