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【テニスギア講座】タダでも信頼できる? 今時のテニスショップ「サービスガット」事情

松尾高司

2020.05.24

「どのガットを張るか?」は、ラケット全体の個性に大きく影響する。無料のサービスガットといっても、何でもいいわけではない。写真:松尾高司

「どのガットを張るか?」は、ラケット全体の個性に大きく影響する。無料のサービスガットといっても、何でもいいわけではない。写真:松尾高司

 テニスラケットを買う時、まず気掛かりなのは「フレームの価格」です。でもいざ購入となると、さらにストリング(ガット)代+張り代が必要となり、ためらってしまいます。そこでショップ側が用意しているのが、その2つをタダにする「サービスガット」です。もしくは、ガット代は有料で、最初の張り代だけ無料というお店もあります。

 実はこの「サービスガット」、昔と今では様相が違ってきています。昔多かったのは、ショップが独自のルートで「ショップオリジナルガット」なる物を仕入れるケース。これは、製造工場と直接交渉したり、仲介業者を使って、極めて安価に仕入れるロールタイプのストリングです。その性能は様々で、そこそこ無難な物もあれば、正直あまり良いとは言い難い代物もありました。

 ところが近年は、通常売られている商品が「サービスガット」にされているケースが増えています。特に大型店舗やネット販売では、数機種をピックアップして「この中から選べば無料」「これ以外なら有料」という告知を多く見かけます。

 ラケットを購入するのは、買い替えの方が圧倒的に多いわけで、普段使っているタイプとは異なる物を「タダで張ってあげる」と言われてもうれしくありません。選べるサービスガットの中に、同じモデルがあればラッキーですし、それに近い物があればまあ妥協できます。ですから昔に比べれば、随分とお客さん側に有益になってきているわけです。
 
 昔よく耳にしたのは、「初級者はとりあえず普通のを張ってみましょう」という言葉。ここで言う「普通の」とは、割と単純な構造のモノフィラメントタイプを指していることが多いです。価格もやや安めのレンジで、負担が少ないからというのも、ある意味では親切かもしれません。

 しかし最近では、初めてのラケットにはマルチフィラメント系を薦めるショップも増えています。現代のフレームは非常にパワフルなため、敏感で反発が高いモノフィラメント系では、パワフル+パワフルで、わずかな加減で飛びすぎることもあるからです。打球感がマイルドで、飛びが安定しやすいマルチフィラメント系がマッチする――というのが昨今のお薦め理由です。

 大切なのは「よくわからないから任せます」ではなく、なぜそれを選ぶといいか? を説明してもらい、納得した上で使ってみることです。せっかく無料の1張り分だからこそ、無駄にせずに選びましょう。

文●松尾高司(KAI project)

※『スマッシュ』2016年8月号より抜粋・再編集

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