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レッスン

42歳にして現役のダブルススペシャリスト松井俊英が伝授する、昔とは違うファーストボレーの考え方【テニスレッスン】

スマッシュ編集部

2020.05.23

今年のATPカップでは日本代表としてダブルスに出場した松井俊英。(C)Getty Images

今年のATPカップでは日本代表としてダブルスに出場した松井俊英。(C)Getty Images

 42歳にしてダブルスを中心に現役で活動を続けている松井俊英プロ。オンラインでジュニアへメンタルアドバイスなども行なっている彼が、一般プレーヤーにファーストボレーの考え方について教えてくれた。今と昔とでは、考え方を変えるべきだと言うのだ。

「ファーストボレーには、2通りの考え方があります。ひと昔前は、何が何でも『落とさない』。つまりハーフボレーにせずに、ラケットでコートを削る覚悟で『サービス&ダッシュ』するスタイルでした。ハーフボレーにすると、相手前衛にポーチに出られるからです。僕も長年、このスタイルでやってきました」

「しかし今は『サービス&レディ』のスタイルもあります。ラケットの性能が上がり、リターンが良くなったので、無理して『落とさない』を徹底しようとすると、プレーに支障をきたしかねません。それなら割り切って、サービスを打ったら相手のリターン状況を確認。次のボールを『パワーよりプレースメント重視』のセオリーに従いコントロールして、相手に攻め込ませないようにするのです」

 相手のリターン状況を確認してプレースメント重視でファーストボレーを行なうとして、どんなボレーがいいのだろうか。「ショートローボレー」が有効だと松井は言う。
 
 ショートローボレーとは、「低いボレーをサービスライン付近へ打つボレーのこと。ポジションを下げて構えている相手後衛をおびき出す(泳がせる)ことができるし、前にいる相手前衛にもつかまりません」

「ダブルスで打つボレーは『深く』が鉄則でした。もちろん、相手がリターンダッシュしてくる場合は有効です。しかし今、リターンはポジションを下げて後ろから叩くスタイルが主流。その場合、深いボレーは、相手に絶好球となってしまいかねません」

 リターンの精度が上がってきている現在、今までの通りのボレーを打っていては、相手にチャンスを与えかねない。プレースメントを考えて、「ショートローボレー」を活用し、相手を動かしてポイントしていこう。

解説=松井俊英(ASIA PARTNERSHIP FUND)
1978年4月19日生まれ。現在もダブルス専門で世界を回り続ける日本のトッププレーヤー。18年にアメリカのチャレンジャーで優勝しており、持ち味であるビッグサービスとボレーを武器に戦う。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年4月号から抜粋・再編集

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