海外テニス

女子テニスプレーヤーに向けた教育プラットフォーム『WTAユニバーシティ』を立ち上げ。世界150人以上の選手が受講中

東真奈美

2020.06.19

WTAユニバーシティを受講している21歳のベリス。(C)GettyImages

 WTA(女子テニス協会)が、グローバルテクノロジーパートナーであるSAPと共同で、WTAプレーヤー向けの新しい教育プラットフォーム、『WTAユニバーシティ』を立ち上げた。

 公式サイトでの発表によると、WTAユニバーシティは、プレーヤーの生活とキャリアの向上を目的としたオンライン学習管理システムで、WTAの基本的な選手育成プログラムをさらに強化するものだ。肉体的、精神的な健康、ならびに個人的および専門的分野での成長のために、様々なリソースを提供していくという。

 ツアーが中断した3月以降、WTAとSAPはWTAユニバーシティの展開を加速させた。新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中、世界各地に散らばるWTAプレーヤーそれぞれに対し、ニーズに合わせたプライベートレッスンや、ライブ講座をオンライン上で多数提供している。このシステムの導入以降、世界中の150人以上のプレーヤーが、合計400時間以上の学習をしているそうだ。
 
 現在、WTAと米・インディアナ大学イースト校との提携により、ビジネス専攻科の学士号プログラムに在籍するキャサリン・ベリス(アメリカ出身、キャリアハイ35位)は、WTAユニバーシティで受けたオンライン講義が、ビジネス専攻科の授業でいかに役立っているかを語った。

「この期間にWTAユニバーシティが開設されて本当に良かったです。テニス以外のことに集中でき、知識を増やすためのまったく新しいツールです」と、ベリスは話す。 「健康管理についての様々な情報や、ヨガのオンラインクラスにアクセスできる点も嬉しいです。どこにいても、パソコンやスマートフォンから毎日ストリーミング配信を見ることができます」

 31歳のアレクサンドラ・ドゥルゲル(ルーマニア出身・キャリアハイ26位)は、今年をキャリアの最後の年と決めているが、セカンドキャリアを充実させるために、このWTAユニバーシティが役立っているという。「テニスは大好きですが、終わりは必ず来るものです。今こそが最適な時期でした。私にとってWTAユニバーシティの講座は、とても役立っています。WTAは非常に組織化されていて、本当に私たちプレーヤーをサポートしようとしてくれていると思います」と語った。

 WTAは、6つの大陸と30を超える国と地域を対象とした、このシステムの立ち上げを成功させたことで、より革新的なプラットフォームとコンテンツを、テニスの他の分野にも拡大していくことを計画している。今後は、WTAトーナメントスタッフ、コーチ、その他のプレーヤーサポートチームメンバーなど、他のテニスコミュニティ向けにもサービスを提供していくために調整を行なっている。

文●東真奈美

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