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「いつの間にか勝っていた」重要な試合でマッチポイントを迎えた時に勝ち切る理想的な方法【テニスメンタルアドバイス16】

スマッシュ編集部

2020.07.06

アドバイスしてくれた鈴木貴男(左)と吉備雄也(右)。写真:THE DIGEST写真部

アドバイスしてくれた鈴木貴男(左)と吉備雄也(右)。写真:THE DIGEST写真部

 重要な試合のマッチポイントが訪れた時、気負うことなくあっさりと勝ち切れるのは理想だ。どうすれば、そういう状況に持ち込めるのか。全日本テニス選手権でチャンピオンに輝いた選手に聞いた。

 3度優勝を経験している鈴木貴男[1996年決勝/鈴木貴男4-6,6-1,6-3本村剛一、1997年決勝/鈴木貴男6-4,6-2増田健太郎、2007年決勝/鈴木貴男6-2,6-2權伍喜]は、「いつの間にか勝っていた」と言ってのける。いったいどんな状況だったのだろうか。

「初優勝の時は、本村さんの方がランキングが上で、自分が向かっていく立場でした。マッチポイントは、本村さんのダブルフォールトだったんです。1ブレークアップしていて自分のサービスゲームをキープしていればいい状況だったので、ほとんどの人が、その次のゲームで終わると思っていたと思います。

 セカンドサーブでプレッシャーをかけることはずっとやっていて、どこかでダブルフォールトを誘発させてゲームを取りたいと思っていましたが、それがたまたまマッチポイントで来ました。いつの間にか勝っていたのが1回目の時ですね。

 2、3回目はある程度ゲームを支配できていたから、どうやって終わらすかと考えられるぐらい余裕がありました」

 サービスゲームのキープ率が高い、鈴木ならではの余裕といったところだろうか。
 
 2014年にダブルスで優勝している吉備雄也[複決勝/仁木拓人・吉備雄也7-5,6-3佐藤文平・片山翔]は、「マッチポイントだと気付いていませんでした」と意外なことを言う。

「今4-3だなと思っていました。最後は仁木のサービスエースだったんですが、僕は『ナイスキープ』と思ってベンチに行こうとしたんです。でも相手が下向きながら前に来て、後ろを見たら仁木が喜んでいるので、電光掲示板を見たらスコアが6-3。『あれ?』みたいな(笑)。ファイナルのどこかで計算間違いしたようです」

 これは吉備のスコアを見ないスタイルと関係している。「僕は普段からスコアはあまり見ていません。その時は間違えましたが、一応頭に入っているし、スコアは気にしないタイプです。大事な場面だと思うと逆に力んでしまったりするので、スコアを見るより相手を見て、相手はこう考えているのかなとか分析する方が、自分には有意義だと思っています」

 マッチポイントに気付かないほど、集中できているのは、ある意味すごいこと。大事な場面で緊張してしまう人は、スコアより相手を見るスタイルに1度挑戦してみるといいかもしれない。

構成●スマッシュ編集部、取材協力●HEAT JAPAN
※スマッシュ2017年5月号から抜粋・再編集

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