海外テニス

「全く新しい世界になる」世界1位を指導した名コーチ、ポール・アナコーン氏が、再開後のツアーの展望を語る

Hustle

2020.08.18

アメリカの若手選手、フリッツ(左)を指導するアナコーン氏(右)。(C)GettyImages

 現在、世界24位テイラー・フリッツ(アメリカ)のコーチを務めるポール・アナコーン氏は、約5カ月ぶりに再開される男子テニスツアーについて「全く新しい世界になるだろう」との持論を述べている。

 ピート・サンプラスや、ティム・ヘンマン、ロジャー・フェデラーなど、エリート選手のコーチを歴任してきたアナコーン氏。その20年以上のコーチングキャリアにおいて、起こりうるほぼすべてのことを経験してきた。だがそれでも、今回のように感染症のパンデミック下での指導は初めてだという。

「もし誰かがツアー再開時に良いテニスをしていたら、私はショックを受けるだろうね。誰しも再スタートには少し時間がかかるだろう。全く新しい世界になるだろうし、新しいプレー環境になる。多くの選手には動揺が見られると思うよ」と明かした。
 
 さらにアナコーン氏は、この約5カ月間のオフシーズンの影響について、選手の年齢や経験値の差によって大きな違いが生まれると指摘する。

「若い選手は、トレーニングで筋力やプレーの向上を狙うだろう」というが、多くの経験を積んできたベテラン選手は少し異なり「休息を取ることを優先し、回復、身体のコンディションを整えることに集中する」という。ツアー再開後には、この指摘を加味して観戦しても面白いかもしれない。

 通常の2倍近くという、とても長いオフシーズンになった。誰もが経験したことのないことだが、選手たちはとにかく前向きに捉えなければならない。「ひどい状況からでも、何か少しでもポジティブなことを見つけて、それに取り組むことが大切だ。」と、アナコーン氏は語る。

文●Hustle

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