モチベーションの低下、心の安寧、敗戦の悔しさ、そしてモチベーションの向上――。
この5カ月間の日比野菜緒の心の変遷を追えば、そのようになるだろうか。
出場予定だったパリバ・オープン及びマイアミ・オープンがキャンセルとなり、北米から緊急帰国したのが3月中旬。その直後はコートに立っても、「なんのために練習しているんだろう」と目標を見いだせない時を過ごした。
ただ、最初は身体に馴染まなかった「日本で過ごす日々」が日常となり、テニス面でも課題と改善という目標が生まれたころから、むしろ楽しみが増えたという。
その心の平穏に波紋が生じたのが、7月上旬の賞金大会『Beat Covid-19 Open』で連敗を喫し、最終的には肩の痛みで棄権を強いられた時。力を出しきれなかったことで覚えた懐かしい胸の痛みは、「これだけ練習しているのだから、その成果を試す場が欲しい」との渇望に変わっていく。
WTAツアーの再開が現実性を帯びてきたのも、ちょうどその時分。それら時流とも相まって、「大会に出たいという気持ちがだんだん強まってきた」のが、ツアー復帰を目前に控えた彼女の現在地だ。
この5カ月間、日比野がテニス面で一貫して取り組んできた課題は、端的に言えば「ポジショニング」だという。ベースラインから下がらず、早いタイミングでボールを捉え相手の時間を奪うテニスを目的地とし、トレーニングから技術まで、体系的にピースを組み上げてきた。
また、そのような観点でトップ選手たちのプレー動画を見た時、新たな気付きもあったという。
「ブシャール選手やアンドレスク選手、スビトリーナ選手などもタイミングが早い。今まではそういう見方が出来ていなかったけれど、自分が取り組んでからは気がつくようになりました。
以前は、海外の選手は身長も高いしパワーもあるので、それで押しているんだと思ってたところもあるんです。でもよく見ると、タイミングの早さで相手から時間を奪っていた。それだったら私にも出来ると思えたのは、一つの発見だし良かったです」
この5カ月間の日比野菜緒の心の変遷を追えば、そのようになるだろうか。
出場予定だったパリバ・オープン及びマイアミ・オープンがキャンセルとなり、北米から緊急帰国したのが3月中旬。その直後はコートに立っても、「なんのために練習しているんだろう」と目標を見いだせない時を過ごした。
ただ、最初は身体に馴染まなかった「日本で過ごす日々」が日常となり、テニス面でも課題と改善という目標が生まれたころから、むしろ楽しみが増えたという。
その心の平穏に波紋が生じたのが、7月上旬の賞金大会『Beat Covid-19 Open』で連敗を喫し、最終的には肩の痛みで棄権を強いられた時。力を出しきれなかったことで覚えた懐かしい胸の痛みは、「これだけ練習しているのだから、その成果を試す場が欲しい」との渇望に変わっていく。
WTAツアーの再開が現実性を帯びてきたのも、ちょうどその時分。それら時流とも相まって、「大会に出たいという気持ちがだんだん強まってきた」のが、ツアー復帰を目前に控えた彼女の現在地だ。
この5カ月間、日比野がテニス面で一貫して取り組んできた課題は、端的に言えば「ポジショニング」だという。ベースラインから下がらず、早いタイミングでボールを捉え相手の時間を奪うテニスを目的地とし、トレーニングから技術まで、体系的にピースを組み上げてきた。
また、そのような観点でトップ選手たちのプレー動画を見た時、新たな気付きもあったという。
「ブシャール選手やアンドレスク選手、スビトリーナ選手などもタイミングが早い。今まではそういう見方が出来ていなかったけれど、自分が取り組んでからは気がつくようになりました。
以前は、海外の選手は身長も高いしパワーもあるので、それで押しているんだと思ってたところもあるんです。でもよく見ると、タイミングの早さで相手から時間を奪っていた。それだったら私にも出来ると思えたのは、一つの発見だし良かったです」