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海外テニス

“日本女子ナンバー2”の日比野菜緒が新たな目標を手に再びツアーへ【海外テニス】

内田暁

2020.08.20

日比野に心境の変化をもたらしたという、ツアー中断中の様々な気づきとは…。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

日比野に心境の変化をもたらしたという、ツアー中断中の様々な気づきとは…。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 もう一つ、ツアーを離れ日本に居たこの間に得られた、新たな発見や心境の変化があった。

 それが、テニスプレーヤーという『職業』に対する認識。今まで描けなかった、アスリートとしての自身の輪郭を点描画のように浮かび上がらせてくれたのは、ファンや関係者たちの声だったという。

「アスリートとしての自分を、もう少し誇りに思ってもいいのかなと思って。この期間に練習をよく見に来てくださる方も居たり、イベントなどで『活躍楽しみにしています』『いつも応援しています』と言ってもらえたり。楽しみにしてくださる方が居るのなら、それをやっている自分に自信を持っていいのかなと。

 新型コロナでの自粛期間中に家でみんなが見ていたのも、スポーツの再放送などのエンターテインメントだと言われて、そうかなと思ったこともあったり。『Beat Covid-19 Open』をオンラインで見てくださった方も最終日(7月3日)だけで30万人以上だったと聞いて、数字にしてもらえると実感が湧きやすく、それもまたモチベーションになりました」
 
 それら、テニス面での変化と精神面での新たな視座を得た今だからこそ、ツアーという戦いの舞台に戻ることは、「楽しみ」だと彼女はいう。当面の出場予定大会は、ニューヨーク開催のウェスタン&サザン・オープンと、全米オープン。その後一旦の帰国を挟み、ローマ、そして全仏オープンへと向かっていく。

「WTAは2~3日に1回は連絡をくれるので、これだけ選手のことを考えてくれているなら、行っても大丈夫かなと思いました。

 わたしはあまり、ポイントやランキングのことは考えていなくて。今は大会に出て試合をこなし、成長を実感することが大切な時期なのかなと思います。練習の成果を実戦で試したい。ポイントをあまり考えていないのは、精神的にプラスになるかもしれないですね」

 この5カ月間の自身の成長を測り、世界での現在地を知りたい――。

 純粋な好奇心と探究心を指針とし、旅の続きへと歩を進める。

◆日比野菜緒(ひびのなお)
1994年11月28日生まれ/愛知県一宮市出身。ブラス所属。身長163cm。右利き、両手打ちバックハンド。強力なバックのダウンザラインをはじめ、立体的なストロークで相手を翻弄。2015年のタシケントでツアー初優勝を飾り、昨年9月には広島で行なわれ花キューピットオープンで2勝目を手にした。20年の全豪では予選を勝ち抜き1回戦で全豪初勝利をつかんだ。8月17日付WTAランキング74位は、日本人選手として大坂なおみに次ぐ2番手。自己最高位シングルス56位(16年6月18日付)、同ダブルス43位(17年7月31日付)。

取材・文●内田暁

【PHOTO】世界の舞台で戦う日比野菜緒ら日本人プレーヤーたち!

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