海外テニス

全米出場予定だった世界23位のペールが新型コロナ感染。同郷の複数選手と濃厚接触か?

中村光佑

2020.08.31

大会開幕直前での感染判明だけに、大きな混乱が予想される。(C)Getty Images

 現地29日(土)、全米オープンで第17シードでの出場を予定していた世界23位のブノワ・ペール(フランス)が、新型コロナウイルスに感染していることが判明した。

 ペールはウェスタン&サザン・オープン出場のため、18日にニューヨークに到着し、22日にはボルナ・チョリッチ(クロアチア)との1回戦に出場したが、体調不良のため第2セット序盤で棄権していた。スペインメディア『マルカ』によると、到着後から3回にわたって行なわれたPCR検査ではいずれも陰性だったが、29日夜の検査で陽性反応が出たという。

 現在ペールは宿泊施設内でコーチのモーガン・ブルボン氏と共に隔離措置を受けている。さらに、ペールとの濃厚接触が疑われる同郷のリシャール・ガスケ、アドリアン・マナリノ、グレゴワール・バレール、エドゥアール・ロジェ‐バセランらも自室で隔離状態だという。
 
 これによりペールは全米オープンを棄権。本大会には、感染防止の観点から補欠選手が存在しないため、シングルスに欠員が出た場合はダブルス出場選手から補充されるのだが、今回はマルセル・グラノイェルス(スペイン)がペールの代わりにシングルスに出場。グラノイェルスは1回戦でカミール・マイフシャク(ポーランド)と対戦する。

 また、大会主催者側は公式声明文でペールであろう人物(名前は上げていない)の症状について「無症状である」と伝えているが、最低でも10日間の隔離措置を受ける必要がある。さらに、濃厚接触による14日間の隔離措置が必要なプレーヤーは、いまだ追跡中であることも明かしている。バブル(大会専用の隔離空間)内でのコロナ感染は今回が初めてのケースではあるが、開幕直前であることも踏まえ、プレーヤーの間に大きな混乱や不安を招く可能性がある。

文●中村光佑

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