全米オープンテニス（アメリカ／ニューヨーク）は大会５日目の９月４日（現地時間）、女子シングルス３回戦が行なわれ、第４シードの大坂なおみはアーサー・アッシュ・スタジアムのデイセッション第１試合に登場。マルタ・コスチュク（ウクライナ）に６－３、６－７（４）６－２のフルセットで勝利し、ベスト16進出を決めた。

　この日は、ジョギング中に殺害された黒人男性「アーマウド・アルベリー」さんの名が記された黒マスクを身につけて入場した大坂。２日の２回戦と同様に、前哨戦で負傷した左太ももに大掛かりなテーピングを施しており、試合前のインタビューではケガの具合について「100％ではない」と明かした。

　対するコスチュクは、まだツアーに参戦して間もない18歳の新星。しかしながら、弱冠14歳にして全豪オープンジュニアでシングルス優勝を果たした経験を持つ実力者だ。この試合でも、自身が武器と語るサービスと、思い切りのよいストロークで、大坂と真正面から激しい打ち合いを演じた。

　第１セット序盤は、互いにキープが続く展開になるも、コスチュクサービスの第５ゲームで試合が動く。パワー重視のサービスを放つコスチュクが、２度のダブルフォールトを犯すと、そのスキを突いた大坂がすかさずブレークに成功。第９ゲームでもブレークを重ね、６－３でセットを先取した。
  　第２セットでは、互いに１ブレークずつ奪い合ってタイブレークに突入すると、壮絶な打ち合いのミニブレーク合戦に発展。２－０から４連続失点を喫するなど、集中力を切らし始めた大坂は、最後バックハンドのミスでセットを落とすと、ラケットを地面に投げつけてしまった。

　悪い流れで迎えた最終セットだったが、大坂はセット間でしっかり気持ちを切り替えていた。コスチュクの猛攻を耐え忍びつつ第５ゲームをブレーク。さらに、第７ゲームでもブレークに成功し、勝利に王手をかけると、続く自身のサービスゲームをラブゲームでキープして、２時間32分の試合に終止符を打った。

　４回戦に進んだ大坂は、８強入りを懸けて第14シードのアネット・コンタベイト（エストニア）と、第24シードのマグダ・リネッテ（ポーランド）の勝者と対戦する。

　ここまで、第１シードのカロリーナ・プリスコワ（チェコ）や、今年の全豪オープンファイナリストであるガルビネ・ムグルサ（スペイン）など、上位選手の敗退が続いている女子シングルス。このことから、大手ブックメーカーの『ウィリアムヒル』や『bwin』などでは、大坂が優勝オッズで単独トップとなり、優勝候補の筆頭として挙げられている。

　このままの勢いをキープして、全米２度目の戴冠、自身３度目のグランドスラムタイトルへと駆け抜けてほしい。

構成●スマッシュ編集部

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