レッスン

相手のセカンドサービスで、コートの中に入ってリターンから攻撃する、錦織圭のポイント獲得法とは?

スマッシュ編集部

2019.09.27

錦織のアドサイドのバックハンドリターン。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 世界トップ10を長くキープしている錦織圭。彼の持ち味はどこにあるのだろうか?

 錦織圭の得意とするリターンからのポイント獲得法を、元デビスカップ日本代表でテレビ解説でもお馴染みの辻野隆三氏に解説してもらった。ショットの技術的なアドバイスもレクチャーしてくれているので、すぐにコートで実践してみたくなる! 錦織になりきってポイントを獲得できるように、挑戦してみよう。

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 相手の2ndサービスの時、コート内に入ってバックでダウンザラインに打つのは得意パターンです。ベースラインよりも後ろに構えていた場合、相手にキックサービスを打たれると、ボールはどんどんコートから逃げていきます。それを回避するために、自分から中に入って、ボールが逃げる前に捉えるようにします。勝負する時に打つことが多く、リターンエースを狙うか、主導権を握ることが目的です。ダウンザラインかクロスに打ちますが、ダウンザラインに打っている時は、ほぼエース狙いでしょう。

【ポイント獲得法】
①相手がセカンドサービスを打つ
②錦織がコート内で、バックでダウンザライン
もしくは
②´錦織がコート内で、バックでクロス
【ショットの技術ポイント】
❶前に入って勢いを出す
写真①~⑥を見ると、後ろに構えた状態から、前に入っていくことで勢いを出しています。相手にとってもサービスを構えた時は後ろにいたわけですから、意表を突かれた状態になります。レディーポジションの時に、攻撃するとわからせない位置取りになっているわけです。

❷インパクトであごを引き、左肩を上げる
あごが上がると力が逃げてしまいますが、あごが引かれていることで力をぶつけられます。相手のボールが上がってくる時は、あごが上がりやすいので気を付けてください。同時に左肩も普通のストロークの時よりも上がっています。キックサービスに対して、ボールが上がってくるところを、押さえ込もうとしていることがわかります。

❸右足一本でフィニッシュ
フィニッシュでは右足1本になっており、左足は大きく後ろに跳ねあがっています(写真㉓)。身体が後ろから前に移動する動きも加えて、ボールにパワーをぶつけていることがわかります。

【解説者プロフィール】
辻野隆三(MIRAIテニスアカデミー代表)
元デ杯日本代表。NHKやGOARAのテレビ解説でもお馴染み。ATPマスターズを含む海外の大会に頻繁に行き、情報を常にアップデート。テニス事情に精通している。

●スマッシュ2019年11月号付録「錦織圭のポイント獲得法」より抜粋。この付録では他のパターンも紹介しています。
https://www.nsks.com/smash/detail/id