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海外テニス

新型コロナで二極化する選手たち。テニス界に活気が戻りつつある中、一部ではクレーシーズン離脱の選手も…【海外テニス】

久見香奈恵

2020.09.17

6月下旬に新型コロナに感染したディミトロフは、ツアー開催に肯定的な意見を示している。(C)Getty Images

6月下旬に新型コロナに感染したディミトロフは、ツアー開催に肯定的な意見を示している。(C)Getty Images

 人々の不安の声が渦巻くなか8月31日に開幕した全米オープンも無事終幕。開幕直前にはブノワ・ペールが新型コロナウイルスの陽性反応を示し、濃厚接触者である数名の選手たちは棄権を余儀なくされた。これまでにもテニス界では、世界各地で選手の陽性が報告されており、感染経験者は心身へのダメージのつらさを吐露している。

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 6月下旬に感染したグリゴール・ディミトロフは、男子世界ランク1位のノバク・ジョコビッチが主催した非公式大会「アドリア・ツアー」の出場後に陽性が判明。復帰するまでに約1ヵ月間を要し、7月下旬に出場した「アルティメット・テニス・ショーダウン(UTS)」では、当時の状況をこう振り返った。

「ウイルスから受けたダメージは非常につらかったよ。体力が完全回復するには簡単ではないとも感じた。感染時、呼吸がしにくくて、体調が優れずとても疲れていた。食事の味も匂いも感じられず、考えられる限り全ての症状があったと思う。

 ある日、僕はとても気分が良くて、4時間ほど外出する予定だったんだ。でも突然体調が悪くなってしまって、昼寝をして休むことになったよ。コロナに感染すれば20日隔離される、1日が24時間だから…計算できるでしょ?僕は500時間を一人で過ごしたよ。その時、僕は人として、アスリートとして、色んな存在として、考えが悪い方向に行くことを避けられなかったんだ。感染時の精神状態を過小評価すべきではないよ」
 
 そして7月には、アメリカのフランシス・ティアフォーも感染。練習拠点のフロリダからアトランタへと移動したが、エキシビション大会「ドラフトキングス・オールアメリカン・チーム・カップ」の初戦勝利後に体調不良を訴え、再検査で陽性が判明した。移動時の空港で感染したか、あるいは大会前の数日間で食事を取りに行っている時に会った人から感染したかもしれない。本人も感染経路に悩み考えたうえで、「感染経路の可能性はどこにでもある」と話している。

 しかし、上記のふたりは新型コロナの感染経験者であると同時に、ツアーの開催に対し肯定的な意見を示す選手でもある。全米オープンの開幕前、ティアフォーは同大会の感染リスクに対して「大会に関わる人々は各種のプロであり、うまくいけば彼らは感染予防を高いレベルで実行できる」と語っており、アメリカでイベントの開催に成功している他のプロリーグのようにテニス界の再生と復活を目指す姿勢を示していた。

「明らかにNBAはそれを実現できているよ。そして明らかに野球は苦戦しているね。それはとても大変なことだよ…しかし全員が検査をして感染予防策を守り、正しい行動をすることを望んでいるよ…だから他の選手が何故この大会に出場しないのかわからないよ」
 

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